本間宗究(本間裕)のコラム
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2015.3.27
天動説の経済学
コペルニクス(1473年-1543年)が「地動説」を再発見してから、「ニュートン(1643年-1727年)」の「万有引力の発見」までには、「200年以上の年月」が必要だった。そして、この期間は、「神に対する信仰心」が、人々を支配しており、「地動説を唱えることは、神に対する冒涜である」と考えられていた。しかし、その後は、人々の探究心が、世の中を動かすことにより、19世紀に「科学と宗教との対決」が繰り広げられ、現在では、「科学万能の時代」となった。
また、この時に、「経済学が、どのように発展したのか?」を振り返ると、実際には、「アダムスミス(1723年-1790年)」の「国富論」が1776年に発表され、その後、「マルクス(1818年-1883年)」の「資本論」、そして、「ケインズ(1883年-1946年)」の「雇用・利子および貨幣の一般理論」へと繋がっていった。つまり、「マルクス」と「ケインズ」が、最も興味を持っていたのが、「お金」と「商品」との関係性であり、実際には、「お金とは、一体、どのようなものか?」ということだった。
別の言葉では、「資本主義」が発展した時代に、「お金の力」が強くなり、「なぜ、このようなことが起きるのか?」を、真剣に考えたようにも思われるのである。しかし、結果としては、現在でも、「人類史上、誰も、お金の謎を解いた者はいない」と言われるように、「貨幣論」は、我々にとって、「未知の領域」とも言えるのである。つまり、「命の次に大切である」と言われ、現代人が重要視する「お金」については、誰も、実態を把握していない状況ということである。
その結果として、現在では、人類史上、最大規模の「マネーの大膨張」が起きているが、このことは、世界中の人々が、「天動説の経済学」を信奉しているような状況とも考えられるようである。つまり、「実体経済」だけに注目しすぎた結果として、「マネー経済」が、ほとんど忘れ去られている状況のことだが、この時に、「人類の発展段階」を考えると、興味深い事実が浮かび上がってくる。
具体的には、「コペルニクス」から「ニュートン」までの「200年強の期間」と、「アダムスミスの国富論」から「現在」までの「200年強の期間」に、何らかの関係性があるのではないかということである。つまり、人類が発展するためには、100年単位の期間が必要だった可能性のことだが、かりに、この考えが正しいとすると、間もなく、「地動説の経済学」が誕生し、人類は、飛躍的に発展することになるようだ。