本間宗究(本間裕)のコラム
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2015.4.15
ギリシャの金融混乱
現在、ギリシャの金融危機が再燃しているが、多くの人は、「再度、問題の先送りが実施される」という意見に傾いているようだ。つまり、「今まで問題が起きなかったから、これからも起きないのではないか?」というような「根拠なき楽観論」に支配されているようだが、この点については、「2011年」に起きた「3・11の大震災」や、その後の「原発事故」などを想起する必要性があるものと考えている。
別の言葉では、「蒔いた種は必ず生える」、あるいは、「因果応報」という言葉のとおりに、「人類が、今までに行ってきたこと」は、必ず、「結果」として現れるのが、「歴史の教訓」とも言えるのである。つまり、今回の「ギリシャの金融危機」については、「ギリシャ国民が、過剰な債務を抱え、資金繰りに窮した」ということが、根本的な原因であり、しかも、このような状況は、先進諸国でも、ほとんど同じ展開となっているのである。
このように、現在では、時間の経過とともに、先進諸国の「国家債務」が積み上がっているが、今までは、かろうじて、問題が表面化しなかった。別の言葉では、「前代未聞の規模で、問題の先送りが実施されてきた」という状況だったが、驚いたことに、ほとんどの人が、この点を指摘せず、単純に、政府が提唱する「量的緩和」という言葉や、あるいは、「デフレ」を信じ切っているようにも思われるのである。
具体的には、「中央銀行が、大量の国債を買い付ける」、しかも、この時に、「民間銀行から、買い付け資金を借り入れる」という方法は、典型的な「リフレーション政策」であり、過去の歴史からは、必ず、「通貨価値の下落」、すなわち、「ハイパーインフレ」に繋がったことが見て取れるのである。そのために、今回も、「時間の問題」で、同様の展開になるものと考えているが、現在の問題点は、やはり、「いつ、問題が表面化するのか?」という「タイミング」でもあるようだ。
つまり、世界的な「国債バブルの崩壊」が起きた後は、未曽有の規模での「金融大混乱」、具体的には、「金融システム」や「通貨制度」の崩壊が起きるものと考えているが、やはり、今回も、「どのようなバブルも、弾けるまでは、バブルの存在にも気付かない状況」となっているようである。つまり、「何が、問題なのか?」が、まだ理解されていないようだが、今回は、「ギリシャの債務不履行」が、「蟻の一穴」となり、その後、世界的な問題へと広がっていく可能性が高まっているようだ。そして、この観点からは、「4月」から「5月」の動きが、大きな注目点とも言えるようである。