本間宗究(本間裕)のコラム

* 直近のコラムは、こちら

2015.6.5

歴史大転換のメカニズム

現在は、歴史的な大転換期であり、具体的には、「文明法則史学」が教えるとおりに、「800年間」も続いた「西洋の時代」が終焉し、今後は、「東洋の時代」が幕を開けるものと考えている。そして、この点については、ご存じのとおりに、「西洋の没落」と「中国の台頭」が指摘できるようだが、実際に、「西暦2000年頃」からの変化については、誰もが予想しなかったほどの大きな規模だったようである。

そして、どのような時代の転換期にも、必ず、「争い」が起きるものと考えているが、今回は、「国債を守る陣営」と「金を信用する陣営」との間で、壮絶な戦いが繰り広げられたようである。しかし、この戦争は、目に見えないものであったために、ほとんどの人は、戦争の存在に気付かなかったようだが、この点については、今後、世界的な「国債価格の暴落」が起きた時に、はっきりと見えてくることになるようだ。

また、「争い」の展開については、「明治維新」が参考になるものと考えているが、ご存じのとおりに、「1853年」に「黒船」が来航してから、「1868年」の「明治維新」まで、「僅か15年で、幕藩体制が崩壊した」という状況だった。そのために、今回も、短期間の内に、より大きな規模で、世界的な大変化が起きるものと考えているが、基本的には、「国債を守る陣営」が、「幕藩体制」に匹敵し、また、「金を信用する陣営」が、「明治維新政府」に相当するようである。

ただし、実際には、「尊王攘夷から討幕へ」というように、「日本国内でも、いろいろな勢力変化が起きた状況」とも言えるようであり、今回も、単純な考えは排除する必要性があるものと考えている。つまり、今回は、世界に存在する「大量の資金」が、「今後、どのような状況になるのか?」を理解する必要性があり、また、この点に対する対応次第では、「官軍」と「賊軍」が、一瞬にして交代する可能性も存在するからである。

このように、大転換期に起きることは、いろいろな勢力の「戦い」だと考えているが、「明治維新」の場合には、現在の大河ドラマである「花燃ゆ」からも明らかなように、「長州の騎兵隊」が、大きな意味を持っていたようだ。つまり、一般の人々が、武士に代わって、政権に就いたわけだが、基本的には、「既得権の崩壊」が、歴史を動かすダイナミズムだったようである。そして、この点を、現在に当てはめると、「大インフレ」という「通貨価値の下落」が、大きな意味を持ってくるものと思われるが、このキッカケとなるのが、前述の「国債価格の大暴落」とも言えるようである。