本間宗究(本間裕)のコラム
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2015.6.15
潮目の変化
6月4日に実施された「憲法審査会」では、自民党推薦の学者を含めて、3名全員が「違憲」の判断を下したが、この時に言われたことは、「潮目が変わった」ということだった。つまり、「漏れた年金問題」なども含めて、「自民党政権」に対して、逆風が吹き始めた可能性が指摘されているのだが、実際には、より根源的な「潮目の変化」が起きているようにも感じられるのである。
つまり、私自身が感じた「潮目の変化」、あるいは、「歴史的な大転換」は、「4月20日」だったが、この時に起きたことは、「ドイツ国債」を始めとした「ヨーロッパの国債金利」が、史上最高値を付けたということだった。そして、その後は、急速な「金利上昇」に見舞われているのだが、このことは、「お金の力」、あるいは、「お金に対する信用」が、歴史的なピークを付けたことを意味しているようである。
別の言葉では、「文明法則史学」によると、「西暦2000年前後」を境にして、「西洋の時代」から「東洋の時代」へ、大きな「移行」が起きることが考えられるのだが、今回の「史上最高値を付けた国債価格」については、このことを、象徴するような大事件だったようにも思われるのである。
そして、今後は、この流れが、より一層、はっきりし始めるものと思われるが、この時に考えなければいけないことは、「今後、どのような時代になるのか?」ということでもあるようだ。具体的には、今までの「資本主義」から、「共同体主義」とでも呼ぶべき社会に移行する可能性のことだが、この点については、今後、時間の推移とともに、全体像が見えてくるものと考えている。
また、「文明史学」が教えることは、「移行期の混乱」であり、同時に、「民族の大移動」でもあるが、この点については、すでに、「アフリカ」や「中東」で起きているようにも考えている。つまり、生活に困った人々が、他国に逃げ出す状況のことだが、最近の「アフリカにおける船舶の沈没」を見ると、確かに、多くの人が、このような行動を取り始めているようである。