本間宗究(本間裕)のコラム

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2015.7.17

パッシブ運用とアクティブ運用

現在、日本の株式市場では、「パッシブ運用」と「アクティブ運用」との議論が起きているが、このことは、「株式の投資方法において、どのような手法が、より効率的なのか?」を考えることでもあるようだ。具体的には、以前から、海外で、「ファンドマネージャーは、本当に必要なのか?」という疑問点が存在したが、実際には、「インデックス」だけに投資して「バイ・アンド・ホールド(買ったままでの長期保有)」の方が、「投資において、より有効ではないか?」という考え方が存在したのである。

つまり、「日経平均」の場合には、「225銘柄」に均等投資をするか、あるいは、「日経平均に連動した投信」を買って、「長期間、保有した方が、より大きな利益を上げられるのではないか?」という考え方のことである。そして、このような「パッシブ運用」については、「1980年代のアメリカ」において、たいへん注目された投資方法だったが、この原因としては、「株価が右肩上がりの状態」だった点が指摘できるようである。

しかし、「1990年以降の日本」においては、反対に、「ヘッジファンド」や「ロング・ショート」などのように、「どのような相場でも、ファンドマネージャーの手腕によって、利益を上げる投資方法」が好まれたのである。つまり、「株価の上昇局面」では、「パッシブ運用」が人気化し、一方で、「株価の下落局面」では、「アクティブ運用」という「ファンドマネージャーの手腕が必要な投資方法」が、好んで用いられる傾向があるものと考えている。

特に、現在の日本では、「公的年金」などが、大量に、株式市場に資金を移動させており、この時には、「パッシブ運用」が好まれる傾向が存在するようである。つまり、「株価が下がったから、運用しているファンドが値下がりしても、仕方がない」というような「言い訳」が付きやすい事が、理由の一つでもあるようだが、現在の相場は、このような「サラリーマン的ファンドマネージャー」には、ぴったり合っているようである。

そして、「30年程前のアメリカ」においても、現在と似たような相場が発生したが、この点については、不思議な「30年サイクル」の存在に行き着くようである。具体的には、現在の「日本」が、30年程前の「アメリカ」と同様の状況であり、また、現在の「中国」が、30年ほど前の「日本」と、似たような状況のことである。そして、当時を思い起こすと、我々日本人も、現在の中国人と同様に、海外で、爆買いをしていたが、はたして、当時の我々の態度は、海外の人々に、どのように映っていたのだろうか?