本間宗究(本間裕)のコラム

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2015.9.17

「堤防の決壊」と「火山の噴火」

今回の「鬼怒川などの堤防決壊」を見ると、改めて、「大自然の力」を認識するとともに、「天災と人災との関係性」を、再考せざるを得ないようにも感じている。つまり、東洋学では、古来、「人間の意識が歪むことにより、天の警告である、天災が起きる」と言われているが、実際には、「大膨張した世界のマネー」が、「地球の温暖化」を引き起こし、その結果として、さまざまな自然災害を引き起こしているようにも思われるのである。

しかも、この時に、「北極海の氷が溶けたから、資源開発などの、新たなビジネスチャンスが誕生した」と考える人々も、数多く存在し、その結果として、更なる「天災」が発生しているようにも感じられるのである。つまり、「過剰なマネーの存在」が、「過剰なビジネス需要」を喚起し、結果として、「地球が悲鳴を上げているような状態」となっているようにも思われるのである。

別の言葉では、「西洋的な考え方」である、「人間が、自然を支配する」という意識が、世界中に広がった結果として、現在の災害を引き起こしているようだが、この時に考えなければいけないことは、「いつまで、このような状態が継続するのか?」という点である。つまり、現在の「ゼロ金利政策」や「異常な超低金利状態」、あるいは、「デリバティブ(金融派生商品)」や「国債」などの「バブル」が存在することにより、現在、世界的に「自然災害」が発生しているようだが、この時に、「人類は、どこまで、金融のコントロールが可能なのか?」ということである。

具体的には、「世界各国の中央銀行が、大量に国債を買い付けた結果として、現在のような異常事態が発生している可能性」のことだが、実際には、典型的な「金融のコントロール(制御)」により、強引に、いろいろな資産価格が抑え込まれている状況とも感じられるのである。別の言葉では、「世界のマネーが、堤防に沿って、川を流れている状況」のようにも思われるが、この時に考えなければいけない点は、「金融界における堤防決壊」とも言えるのである。

つまり、すでに始まった「社債金利の上昇」のように、いろいろな市場で、コントロールが効かなくなる可能性のことである。しかも、今回は、「堤防の決壊」に続き、「阿蘇山の噴火」までもが起きており、このことは、「溢れ出した資金が、さまざまな資産価格を急騰させる状況」を想起させるようだが、実は、このことが、典型的な「ギャロッピング・インフレ」を意味しているのである。