本間宗究(本間裕)のコラム

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2015.9.25

嚢中の錐

東洋学には「嚢(のう)中の錐(きり)」という言葉があるが、内容としては、「袋の中にある錐は、必ず、表に顔を出す」ということであり、実際には、「優れた人物は、必ず、世の中に表れる」という意味で使われているようだ。しかし、私自身としては、「王様の耳はロバの耳」という言葉のように、「真理は、必ず、世の中に広まる」、あるいは、「不条理な事態は、必ず、是正される」という意味を持っているようにも感じている。

つまり、相場の世界では、往々にして、きわめて異常な事態が発生するが、このことは、「木の葉が沈んで、石が浮く」という格言で表されているように、「人智では、考えられないような理不尽な状況」のことである。具体的には、現在の「ゼロ金利」や「国債のマイナス金利」などのことだが、不思議なことに、最近では、誰も、この異常さを疑問視しなくなり始めているのである。

別の言葉では、現在の異常な金融情勢は、「世の中が窮まった状態」を表しているようにも思われるが、実際には、「資本主義」そのものが、一種の「機能不全状態」に陥っている可能性もあるようだ。つまり、「中央銀行が国債や株式などを買い、結果として、金融市場の安定が図られている状況」というのは、どのように考えても、正常な資本主義とは言えないようである。そして、今後は、この点に関する「大事件」が起き、結果として異常事態が、一挙に是正されるものと考えているが、このことが、「袋の中から、錐が飛び出す状況」とも言えるようである。

具体的には、「国債価格の暴落」、あるいは、「デリバティブ・バブルの崩壊」などの大事件が予想されるが、このことは、行き過ぎた「金融資本主義」の行き詰まりを意味しているようにも感じている。また、この点については、特に、「日銀のバランスシート」が、気に掛かる状況とも言えるが、実際には、「当座預金」の大膨張により、「民間資金の吸い上げ」が行われているのである。

その結果として、現在では、「社債」や「ヨーロッパの一部の国」など、体力の弱い分野から、徐々に、金利上昇が始まっているようだが、このことは、「金融コントロールにおける堤防決壊」とも考えられるようである。そして、今後は、「紙幣の大増刷」という「金融の大津波」が起きることを想定しているが、このタイミングについては、年内になる可能性が高まっており、実際には、「アメリカ」を始めとした「先進諸国の利上げ」は、その後、急速に、かつ、頻繁に行われるものと考えている。