本間宗究(本間裕)のコラム

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2015.10.5

天の大任

中国の古典である「孟子」に、「天の将(まさ)に、是の人に大任を降(くだ)さんとするや・・・」という有名な言葉があるが、内容としては、「天が、ある人に大きな役割を与える場合、その前に、ありとあらゆる困難な経験をさせる」というものである。そして、この理由としては、「天地自然の理を理解させるために、人智の限界を試させる」ということだと考えているが、現時点での感想としては、「この言葉は、ある特定の人物に当てはまるだけではなく、日本人全体にも応用できるのではないか?」ということである。

つまり、過去数十年の「日本」を見ると、「バブルの崩壊」以降、「失われた20年」や「歴史的な速度で進行する少子高齢化」、また、「3・11の大震災」や「原発事故」など、実に、さまざまな大困難に見舞われたことが理解できるのである。しかも、今後は、「国家財政の破綻」や、その結果として予想される「年金、健康保険などの破綻」が起きる可能性が高くなっており、最後の段階では、「神も仏もあるものか?」と叫びたくなるほどの困難な状態に陥る可能性も存在するのである。

しかし、一方で、「天は、その人に、耐えることができない試練は与えない」とも言われており、このことは、「気付きが築きに繋がる」という言葉のとおりに、「過ちに気付いた時に、新たな時代が築かれる」ということを意味しているものと考えている。つまり、「節から芽が出る」という言葉が意味するように、「困難に直面した人々が、さまざまな悩みや苦しみを経験し、その後、間違った点を修正することにより、全く新たな時代が始まる」という状況も想定されるのである。

しかも、現在では、「文明法則史学」が教えるとおりに、世界の人々は、「1600年に一度」とも言うべき「節目」に直面しているようだが、この時に、最も大切なことは、「聖書」にある「神とお金との関係性」でもあるようだ。具体的には、「神とお金とに、同時に仕える事が出来ない」というものであり、私自身としては、「800年ごとに、お金の時代と神の時代が、交互に訪れる」という意味を持っているものと解釈しているが、現在は、まさに、「お金の時代」が、終焉の時を迎えているようにも思われるのである。

そして、今後は、「天地自然の理」を理解することにより、「自然と調和した新たな文明」が築かれるものと考えているが、その前に起きることは、やはり、「神様となった現代の通貨」に関して、前代未聞の規模で大事件が起きる可能性であり、この点については、たいへん時期が近くなってきたようにも感じられるのである。