本間宗究(本間裕)のコラム

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2015.11.17

大量生産と粗悪品

今回の「横浜のマンション傾斜問題」については、日本人全体が、大きな危機感を持ったようだが、実際のところは、文字通りに、「建築業界の土台が揺るがされるような事件」でもあったようだ。つまり、今までは、「大企業が販売したマンションだから安全だ」という、一種の「神話」が存在したようだが、今回の事件により、この神話が崩壊した可能性も存在するようだ。そして、この点については、どのような「商品」、あるいは、どのような「時代」においても、頻繁に起こる事件とも考えられるようである。

具体的には、「大量生産」と「粗悪品」との関係のことだが、この点については、現在の大河ドラマである「花燃ゆ」においても、「群馬の生糸」に関して、「粗悪品」が出回り、結果として、「価格の暴落」に見舞われたことが見て取れるのである。つまり、どのような「商品」においても、「人気が出て、売れるようになると、粗悪品や模倣品などが出回りがちになる」とも言えるのだが、もう一つの注意点は、「大企業の慢心、あるいは、奢り」とも考えられるようである。

別の言葉では、どのような「企業」、そして、どのような「商品」も、最初は、「純粋な想い」が存在したものと思われるが、具体的には、「良い商品を創り、世の中に貢献したい」という意識のことである。つまり、最初に、このような「想い」が存在しなければ、決して、世の中に受け入れられないものと考えているが、問題は、その後の展開でもあるようだ。

具体的には、ある製品が、大量に生産され、また、大量に販売されるようになると、いつしか、「認識の変化」が起き、実際には、「売れるのが当たり前だ」というような「慢心」が、人々の心を支配し始めるようである。つまり、最初の「想い」が、「形」となり、一定の時間が経過した時に、必ず、「形骸化」が発生するようだが、このことは、「品質の改良を怠り、反対に、粗悪品までもが生産される状況」のことである。

そして、この時には、一挙に、「信用」が揺らぎ、最悪の場合には、「誰も、その商品を買わなくなる事態」も発生するようだが、このような「粗悪品の乱造」については、実際のところ、現在の「金融商品」が、その典型例とも考えられるのである。つまり、典型的な「根の無い切り花」の状態となっており、すでに、根本の「信用」が失われ始めているものと思われるが、この点については、間もなく、「誰の目にもはっきりと理解されるような大事件」が起こるものと考えている。