本間宗究(本間裕)のコラム

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2016.2.26

北朝鮮の苦境

「北朝鮮に対する経済制裁」が、着々と実施されているが、具体的には、「ケソン工業団地の業務停止」に加えて、「中国が、北朝鮮からの石炭輸入を停止する」との報道のことである。また、「日本独自の経済制裁」が実施され、「米国」が「国連安保理に、前例のない厳しい制裁決議案を提出した」とも報道されているが、今回の制裁については、さすがに、「金正恩体制」に対して、極めて大きな打撃になるようである。

その結果として、「三代続いてきた、国家の世襲」が崩壊する可能性もあるようだが、この点については、典型的な「売り家と唐様で書く三代目」の状況ともいえるようである。つまり、「創業者」は、概ね、「苦労と努力の末に、新たな企業や組織を立ち上げる場合」が多いのだが、「二代目」になると、「半分が努力、半分が既得権」というような状況になることが考えられるのである。

そして、「三代目」については、現在の北朝鮮からも明らかなように、「全てが既得権」であり、また、その上に、「国民のことを考えずに、自分のやりたい放題の政策を実施している状況」とも考えられるのである。その結果として、冒頭の、「世界各国からの経済制裁」が実施されることとなったのだが、この時に、最も苦しむと思われるのは、やはり、「一般大衆」とも考えられるのである。

具体的には、「物資の枯渇」による「物価の暴騰」や、あるいは、「食糧難」なども予想されるのだが、同時に考えなければいけない点は、「国民の不満」が、「今後、どのような高まりを見せるのか?」という点でもあるようだ。つまり、今までは、「恐怖政治」に怯えて、「表面的な従順性」が表に出てきた可能性があるようだが、今後は、反対に、「今までの欝憤(うっぷん)」が、一挙に表面化する可能性も存在するからだ。

具体的には、「1989年のルーマニア」のように、「当時のチャウシェスク大統領夫妻が、公開銃殺された」というような事件が起こる可能性のことだが、基本的には、「権力者」が、「自分勝手の行動」をとった場合に、ほぼ例外なく、「民衆からの反発が起こる」ということが、「歴史の教訓」とも言えるのである。そして、この点については、「日本」も、決して、例外ではないものと考えているが、特に、「国債価格の暴落」が始まった時には、「国家財政」のみならず、「年金」や「健康保険」も破たんする可能性が存在するのである。つまり、そのような状況下で、「現代の日本人」が、どれほどの「不満」を持ち、どのような行動に出るのかが、大変気にかかるのである。