本間宗究(本間裕)のコラム

* 直近のコラムは、こちら

2016.5.30

五次元経済学の基礎理論

「2016年5月」は、私にとって忘れられない「記念すべき月」となったようだが、その理由としては、長年求め続けてきた「五次元の経済学」に関して、「基礎理論」が完成したものと考えているからだ。そして、この点に関して、最後の決め手となったのが、「唯物論と唯心論」の違いであり、また、「易経と細胞」に共通する「分化と増殖のメカニズム」が理解できたことだった。

具体的には、人類の歴史をたどると、「唯物論」が中心となる時代と、「唯心論」が中心になる時代に分かれるものと考えているが、現在は、ほとんどの人が、「物質を代表するマネー(お金)」を、崇拝しているような状況とも考えられるのである。そして、「なぜ、このような事態が発生したのか?」を考え続けてきたのだが、興味深い点は、「800年前の西暦1200年頃」は、現在と、全く正反対の状況だったという事実である。

つまり、当時は、「唯心論」が、ピークを付けた時代だったが、実際に起きたことは、「末法思想の普及」であり、多くの人が、「死後や来世の幸福」を願い、「神社仏閣の建立」に邁進していたのである。しかし、その後の変化としては、「日本の武家社会」、あるいは、「西洋のルネッサンス」のように、「物質を重視する社会」の形成が始まったのだが、最後ピークを付けた「現在」では、「お金そのものが、単なる数字となり、大きな猛威を振るっている状況」とも言えるのである。

このように、歴史をたどると、人類全体が、「物を求める時代」と「心を求める時代」とに別れていたことが理解できるが、この要因としては、「心の座標軸」という「人々の意識と行動が、どの方向を指しているのか?」が挙げられるようである。つまり、今まで、人々の心は、「目に見えるもの」と「自分」とを指す方向に向かっていたのだが、「西暦2000年前後」から、徐々に、「目に見えないもの」に興味を持ち始め、また、「他人への思いやり」を持つ人が、徐々に、増え始めているようにも思われるのである。

その結果として、今後は、「唯心論」を重視する人が、世界的に増え始めるものと考えているが、このことは、「心のルネッサンス」とでも呼ぶべき状況であり、実際には、「1600年前の西暦400年前後」に発生した「世界的な変化」が、再び起こる可能性のことである。別の言葉では、「お金を中心にした市場経済」から「無償の愛を基準にした共同体」への移行のことだが、この点については、「今年中にも、方向性が、はっきりと見え始めるのではないか?」と考えている次第である。