本間宗究(本間裕)のコラム

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2016.5.24

異次元金融緩和からの出口戦略

5月21日の日経新聞に、「日銀の引当金」に関する報道が出ていたが、この点には、大きな注意と正確な理解が必要だと感じている。つまり、この記事では、「将来の国債価格下落に備えて、日銀が、初めて、4500億円程度の引当金を積んだ」、また、「政府に対する納付金は、大幅に減少した」とも報道されているが、内容としては、実質上、「異次元の金融緩和」を放棄する政策のようにも思われるからである。

より具体的には、「3月末で、日銀が保有する国債は約349兆円」、また、「日銀の試算では、1%の金利上昇で、保有国債の時価総額が、約21兆円減少する」という状況であり、そのために、「引当金を積むことにより、将来の危機的な状況に備える」とも報道されているのである。つまり、「日銀」としては、これ以上の「金利低下」が見込めず、反対に、「金利上昇」を恐れ始めたようにも思われるが、「その時に、どのような事態が想定されるのか?」が、これからの最も大きな注目点とも言えるのである。

つまり、今までは、「異次元の金融緩和」の名のもとに、「日銀が、国債を大量に買い付けることにより、人為的な超低金利状態、あるいは、マイナス金利が作り出されてきた状況」でもあった。しかし、今後は、「日銀の国債買い付け」が不可能になるだけではなく、反対に、「国債価格の暴落」により、「政府の資金繰り」に、大きな問題が生じる可能性が存在するのである。

具体的には、「国家破綻」のことだが、実際に予想されることは、「政府が資金繰りに行き詰まり、日銀が紙幣を大量発行する可能性」のことである。しかも、この時には、今まで「日銀」が吸い上げてきた「約270兆円もの当座預金」が、一挙に、「市中に戻る状況」も想定されるが、この時に予想される事態は、前述のとおりに、「紙幣の大増刷により、民間金融機関に、当座預金を返金する」という状況でもあるようだ。

そして、このような展開こそが、今までに申し上げてきた「金融大地震とインフレの大津波」を意味するわけだが、現在では、きわめて近い時期に発生することも想定されるのである。つまり、「8月21日」が、「暦のフラクタル」では、「過去と未来が交錯する日」に相当するが、前回の「2011年3月10日前後」には、私の想定とは違い、「3・11の大震災」が発生したのである。そのために、今回は、どのような事件が発生するのかを、固唾を呑んで見守っている段階でもあるが、一方で、このことは、世界的な「マネーの大膨張」が終焉し、「新たな時代」が始まる前兆とも考えられるのである。