本間宗究(本間裕)のコラム

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2016.6.6

史上最大の仕手相場

今まで、数多くの「仕手株」を見てきたが、このことは、「仕手」と呼ばれる人々が、「特定の銘柄に対して、大量の買い付けを行い、株価を暴騰させる」という手法のことだった。そして、「値上がりした株価に釣られ、多くの人が参加した時に、その株を売り抜ける」という目的が存在したのだが、この方法は、必ずしも成功するとは限らず、失敗に終わった銘柄も、数多く存在したのである。また、このような方法で値上がりした銘柄については、例外なく、その後、株価が暴落したわけであり、そのために、私自身としては、決して、仕手株に投資しないことをお勧めしてきたのである。

そして、このような観点から、現在の金融市場を見ると、現在の仕手銘柄は、「世界の国債」ではないかと考えているが、ご存知のとおりに、今まで、「世界各国の中央銀行が、大量に国債を買い付けることにより、マイナス金利の状態にまで、国債価格が暴騰している状況」となっているのである。つまり、力づくで、「国債価格」を押し上げたために、極めて異常な状態になっているわけだが、実際には、「量的緩和」という名のもとに、「政府が取るべき、当然の政策である」とも考えられているのである。

また、「なぜ、このような事態が発生したのか?」については、ご存知のとおりに、「金融界の大量破壊兵器」と呼ばれた「デリバティブ(金融派生商品)」に関して、「2008年のリーマンショック」前後に、残高の増加が止まった点が、理由として挙げられるようである。つまり、「国債を買い支えることにより、デリバティブ崩壊の表面化を防ぐ」という目的が存在したものと思われるが、現在では、そろそろ、「国債の買い支え」も、限界点に近付いてきたようである。

その結果として、今後は、「人類史上、最大の仕手相場」とも言える「世界的な国債バブル」が崩壊するものと考えているが、「仕手銘柄の特徴」としては、前述の「必ず、崩壊の運命が待ち構えている」という点に加え、「崩壊後には、スタート地点にまで、価格が暴落する」という状況も想定されるのである。

そして、この点を、今回の「国債価格」や「金利」に当てはめると、「リーマンショック前の状態だった、約5%の短期金利」が考えられるようである。ただし、今回は、いったん、「国債価格の暴落」が世界的に始まると、「金融システム」や「通貨制度」までもが、崩壊する可能性があるために、実際には、「その時以上の金利上昇」を想定する必要性があるものと考えている。