本間宗究(本間裕)のコラム

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2017.4.17

緊迫化する世界情勢

「4月からの10か月間は、世界全体の激変期ではないか?」と考えているが、「4月」に発生した事件は、「シリアでの化学兵器使用事件」であり、また、「二度にわたるアメリカの軍事攻撃」でもあった。つまり、「アメリカ第一主義」を標榜し、「国内経済を優先する政策」に注力していた「トランプ大統領」が、突如として、「世界の警察国家」としての役割を復活させようとしている状況のことだが、やはり、この裏側には、「混迷する国内情勢」や「支持率の低下」などにより、「国民の目を、国内から海外へそらす思惑」が存在したようである。

具体的には、「国家の財政問題」や「収拾困難な金融政策の出口戦略」などの「内政問題」のことだが、かりに、「北朝鮮」と「米国」との間で、「軍事的な衝突」が発生すると、「世界全体の金融市場」が大混乱の状態に陥り、結果として、「金利の急騰」という事態も想定されるようである。つまり、「軍事費の増加」が「国家の財政状態」を悪化させ、結果として、「国債価格の暴落」が発生する可能性のことだが、一方で、「米国内の実体経済」は、「軍需産業」を中心にして好影響を受ける可能性も存在するようである。

つまり、「4月前半の混乱」については、基本的に、「円安、株高、そして、金利上昇」の効果を持っていたものと考えているが、実際には、全く正反対の「円高、株安、そして、金利低下」という状況となったのである。別の言葉では、「世界情勢の緊迫化」を理由にして、再度、「プログラム売買」が、活発に実施されたものと思われるが、今後の注目点は、「いつ、どれほどの反動が発生するのか?」ということでもあるようだ。

具体的には、「数週間以内に、プログラム売買の巻き戻しが発生する可能性」を考慮しているが、問題は、「この時に、どのような変化が発生するのか?」という点とも考えられるようである。つまり、「国債価格の暴落」により、「先進各国が、慌てて、国内の金融政策に対処を始める可能性」を憂慮しているが、この時に、はっきりと見え始めるのが、「米国の体力低下」であり、また、「日銀の限界」でもあるようだ。

別の言葉では、「先進各国の内政状態が緊迫化する可能性」のことだが、実際には、「日米欧の国々で、資金繰りが行き詰まりを見せる可能性」である。そのために、今後は、この点も考慮しながら、「北朝鮮の金正恩委員長が、どのような行動をとるのか?」に、大きな注意を払う必要性があるようだが、基本的には、「世界全体を無視した自国優先主義」が、現在の混乱に関する最も大きな原因とも言えるようだ。