本間宗究(本間裕)のコラム
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2017.5.24
時間と空間の謎
「経済学」を始めとした「社会科学」の基本は、「時間と空間の謎」を解明することだと考えているが、具体的には、「時の推移とともに、世の中が、どのような変化をするのか?」に関する「メカニズム」を理解することでもあるようだ。つまり、「人々が、どのように結びつき、どのような社会を形成するのか?」という点だが、実際には、「文明法則史学」が教えるとおりに、世界の歴史は、「唯物論」を中心の価値とした「西洋文明」、そして、「唯心論」を基にした「東洋文明」とに大別されるようである。
また、この時には、「求心力」や「遠心力」が重要な意味を持つものと推測されるが、実際のところ、「西暦1200年から西暦2000年」までの世界では、「お金」という「目に見える物質を代表する商品」が、現在の「グローバリズム」と呼ばれる社会の「求心力」となり、また、「お金の遠心力」が社会を広げたものと考えている。そして、「西暦400年から西暦1200年」までの「東洋文明」においては、「神」という「目に見えないものの代表」が、その役割を果たしたようにも思われるのである。
つまり、現在のような「お金だけが唯一の価値観」となった社会では、「空間の広がり」、すなわち、「世界各国の人々が、お金で、密接、かつ、複雑に絡み合った、一つの輪のような状態」が発生したものと想定されるのである。その結果として、実に多くの問題や犯罪などが発生している状況でもあるようだが、実際には、「お金儲けのためなら、犯罪でも厭わない」と考える人々が増えた状況とも言えるようである。
しかし、現在では、「空間の広がりが限界点に達するとともに、新たな価値観が支配し始めた状況」、すなわち、「お金よりも、人生や家族の方が大切だ」と考える人々が増加し始めているようだが、このことは、典型的な「東洋文明社会の始まり」を意味しているものと考えている。そして、今後の「800年間」で、「大順主義」という、全く新たな価値観を持った社会が形成されるものと考えているが、残念ながら、この点については、「後世の人々に、結果を確かめてもらうしか方法がない状況」でもあるようだ。
ただし、今回の「時代の大転換期」において最も注目すべき点が、「お金の性質が、大きく変化した事実」であり、実際には、現在の通貨が、「目に見えない、単なる数字」になったことである。つまり、現代人が、最も欲しがる「お金」そのものが、「時代の先取り」をしていた可能性のことだが、この点については、「今後の数年間で、私の考えが正しいかどうか?」、実際に、検証できるものと想定している。