本間宗究(本間裕)のコラム

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2017.5.24

世界同時サイバー攻撃

「5月12日」に発生した「世界同時サイバー攻撃」については、きわめて大きな意味を持つとともに、「約2か月後の7月半ば」に注目する必要性が出てきたものと考えている。つまり、現代の「通貨」である「コンピューターマネー」に関して、「何らかの大事件」が発生する可能性を危惧しているが、この点については、「過去数十年間に、世界の金融界で、どのような変化が発生したのか?」を詳しく認識し、理解することが求められているようだ。

具体的には、「1971年のニクソンショック」をキッカケにして、「世界の通貨」が、「目に見えない、単なる数字」に変化した点であり、また、「コンピューターネットワーク」の中を、ほぼ瞬間的に、行き来している状況のことである。しかも、現在では、世界各国の「金融システム」が、密接、かつ、複雑に関連しあっているために、「一国の金融システムに問題が発生すると、世界全体に、大きな影響を与える状況」となっているのである。

また、「なぜ、7月に注目するのか?」については、基本的に、「末尾に7の付く年」の特徴が気に掛かるからだが、実際に、「2007年7月」については、「サブプライム問題」が発生したことも記憶に新しく、しかも、「約2か月前から、その兆候が出ていた」という状況でもあった。また、この点については、「1997年8月」から始まった「世界的な信用収縮」についても、ほとんど同様の状況だったことが思い出されるために、今回も、相当な危機意識が求められているものと感じている。

具体的には、私が最も注目する「デリバティブ(金融派生商品)」に関して、「バブルの崩壊」が発生する可能性だが、この点については、今までに述べた通りに、「量的緩和(QE)により、問題の先送りと時間稼ぎが行われていた状況」だったものと思われるのである。しかし、現在では、「米国の利上げ」や「日銀のテーパリング懸念」などにより、問題が隠しきれなくなった状況とも想定されるが、その後に発生する現象は、典型的、かつ、古典的な「インフレ」だと考えている。

つまり、現在の、世界的な「株価」や「土地価格」の上昇については、「トランプ効果」によるものではなく、「世界的な資金移動」が、最も大きな要因だと考えている。そして、これから必要なことは、本当の「インフレ(通貨価値の下落)」に関して、「どのような理由で発生し、どのような事態が発生するのか?」を理解することだと考えているが、実際には、大混乱が終わった後に、全容が解明される可能性も存在するようだ。