本間宗究(本間裕)のコラム

* 直近のコラムは、こちら

2017.6.26

強化される監視社会

6月15日に、日本で「共謀罪法案」が可決され、「監視社会の強化」への不安感が高まっているようだが、興味深い点は、この動きが「日本」だけではなく、海外でも同時進行している状況とも言えるようだ。具体的には、「アメリカのマネーロンダリング法案」や「ドイツのテロ対策法案」などのことだが、この点に関して、海外の識者は、きわめて辛辣な意見を述べている。

具体的には、「傲慢や思い上がりは致命的な罪であり、また、権力者の横柄さや自惚れは、必ず失敗に繋がる」というような意見を述べるとともに、現在の「世界的な金融コントロール」に対して、大きな危機感を抱いているのである。また、「政府や権力者は、全てのことが、自分の思いのままになると錯覚する傾向があるが、結果については、歴史を見れば一目瞭然である」ともコメントしている。

つまり、「傲慢さや横柄さは、一つの時代が終わる時の象徴である」、また、「権力者が恐怖心を抱くと、往々にして、強権政治により、国民をコントロールしようとする傾向がある」とも述べているのである。別の言葉では、「監視社会の強化」については、「両刃の剣」であり、実際には、「権力者が、どのような行動を取っているのか?」についても、「国民の監視」が働くからである。

具体的には、今回の「加計学園問題」や「女性代議士の暴行問題」などのように、「国民が理不尽であると考える問題」については、「天網恢恢、疎にして漏らさず」という言葉のとおりに、「必ず、チェック機能が働き、真実が露見する」ということが、「歴史の真実」とも言えるのである。そして、この点については、かつての「ヒットラー」のように、どれほどの「恐怖政治」を実施しようとも、必ず、「天地自然の理」が働き、時間の経過とともに「正常な状態」に戻る状況も想定されるのである。

そのために、今後は、「日本」のみならず、「世界」において、「どのような展開が予想されるのか?」が、たいへん気に掛かるが、実際には、「信頼が失われた社会」において、「他人への監視」が強化される傾向が存在するようである。そして、このことが意味することは、「信用」を基盤とした「マネー経済」において、「今後、どのような事態が発生するのか?」ということだが、やはり、「通貨への信頼喪失が、本格的なインフレを引き起こす可能性」であり、このことが、今回の「共謀罪法案」に関する、最も「危機的な意味合い」ではないかとも感じている。