本間宗究(本間裕)のコラム

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2017.9.22

BISの金スワップ

最近、海外で注目を浴びている出来事の一つに「BISの金(ゴールド)スワップ」があるが、このことは、「BIS(国際決済銀行)の加盟国」が、「保有している金(ゴールド)」を担保にして、「中央銀行の中央銀行」と呼ばれる「BIS」から「一時的に資金調達する方法」のことである。そして、前回、このことが話題になったのが、「2010年」であり、当時は、「PIGSと呼ばれる国々が、この取引を実施したのではないか?」とも噂されていた。

最近、海外で注目を浴びている出来事の一つに「BISの金(ゴールド)スワップ」があるが、このことは、「BIS(国際決済銀行)の加盟国」が、「保有している金(ゴールド)」を担保にして、「中央銀行の中央銀行」と呼ばれる「BIS」から「一時的に資金調達する方法」のことである。そして、前回、このことが話題になったのが、「2010年」であり、当時は、「PIGSと呼ばれる国々が、この取引を実施したのではないか?」とも噂されていた。

つまり、「BISの金スワップ」については、「個人が質屋で借金する行為」の「国家版」とも言われており、そのために、海外の識者は、「なぜ、これほどまでに、金額が膨らんだのか?」について、いろいろと頭を悩ましているのである。別の言葉では、「2010年までの約30年間、この取引が実施されなかった」、そして、「2008年のリーマンショック以降、再び、この取引が実施されるようになった」という状況に関して、いろいろな憶測が飛び交っている状況とも言えるのである。

そして、私自身としては、この点に関して、「大きな危機感を持つべきではないか?」とも感じているが、その理由としては、「今回の取引が、国家の資金繰りに関したものではないか?」、しかも、「今回は、今までとは違い、量的緩和で問題の先送りができなくなっているのではないか?」とも感じているからである。

つまり、本来は、「2010年」に、本当の「金融危機」が発覚していたものと考えているが、実際には、「日米欧の国々が、異常なまでの国債買い付けを実施し、マイナス金利までをも実現させた」という状況により「約7年間も、時間稼ぎができた状況」だったものと思われるのである。また、このことが、「BISの総支配人」である「カルアナ氏」が、今まで、詳しく述べていた「危機の一つ」とも感じているが、具体的には、「BISの加盟国が、一国でも危機的な状況に陥った時に、世界各国の中央銀行が後追いで急速な金利上昇に迫られるリスク」のことである。