本間宗究(本間裕)のコラム

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2017.10.13

歴史的大転換期のアウフヘーベン

歴史を遡ると、数多くの「時代の大転換期」が存在したことが理解できるが、この時に感じることは、ある種の「アウフヘーベン(止揚)」とでも呼ぶべき状況が発生している可能性である。つまり、「ドイツの哲学者であるヘーゲル(1770年-1831年)」が指摘した「正反合」という動きにより「時代が進化する可能性」のことだが、具体的には、「明治維新」の時に「尊王攘夷派と開国派が争い、結果として、武士の時代が終焉した状況」、あるいは、「西暦1600年前後の戦国時代」に「東軍と西軍とに分かれて争ったものの、その後は、平和な時代が訪れた」というような展開とも考えている。

また、「今から800年ほど前の鎌倉時代」には「平家と源氏の争いにより、平安貴族の時代が終焉し、その後、武士の時代が始まった」という事実も見て取れるが、より大きな「時代の転換」としては、「文明法則史学」が教えるとおりに、「800年毎に、東洋と西洋の時代が後退している事実」が指摘できるようである。つまり、今回の「西暦2000年前後」については、「西洋の時代が終焉し、新たな東洋の時代が始まる時期」とも考えられ、現在では、その通りの展開となっているものと感じられるのである。

そのために、現時点で必要なことは、「どのようなメカニズムで、世界の大転換が発生するのか?」、あるいは、「これから予想される東洋の時代では、どのような価値観が中心になるのか?」を考えることでもあるようだ。具体的には、「1600年前の西ローマ時代の末期」が、現在と、よく似た状況であり、当時は、ご存知のとおりに、「パンとサーカス」の文明に明け暮れたものの、最後には、「財政破綻とインフレ」により「歴史上からは、あっという間に、西ローマ帝国が破たんした」という状況だったのである。

そして、今回も、同様の展開が予想されるようだが、大きな「違い」としては、「格段の技術進歩」が指摘できるようである。つまり、「1600年前とは違い、現在では、自然科学の分野で、大きな技術的進化が発生した点」が指摘できるが、一方で、「世界的な核戦争」などが発生した場合には、反対に、「地球に人類が住めなくなる可能性」が存在するのも、間違いのない事実である。

そのために、これから発展する分野は、「経済学」や「倫理学」などの「社会科学」だと思われるが、実際には、「唯物論」から「唯心論」への「価値観の変化」が発生するものと考えている。つまり、「価値観におけるアウフヘーベン(止揚)」が起きることにより、更なる「人類の進化」に期待している。