本間宗究(本間裕)のコラム

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2017.10.13

時空の歪みと重力波

今年度の「ノーベル物理学賞」は、「重力波を検証した三人」が受賞したが、この理論は、「自然科学」のみならず、「社会科学」でも応用可能なようにも感じている。つまり、「1916年」に「ニュートン」が提唱したと言われる「重力波がもたらす時空の歪み」については、「経済学」や「投資理論」において、将来的に、有効活用される可能性が高いものと思われるのである。

具体的には、いろいろな「時間のサイクル理論」への応用だが、私自身の経験則としては、「10年毎のバブル相場」や「30年毎のインフレ発生」などが当てはまるものと考えている。つまり、「1979年に発生した金(ゴールド)のバブル相場」、「1989年の日本株バブル相場」、そして、「1999年のITバブル相場」のように、「西暦末尾に9の付く年」には、「バブルの発生」が起きやすい状況が考えられるのである。

また、この時に、「10年毎の富の移転」が発生し、実際には、「インフレの10年間」、「株式や土地の10年間」、そして、「債券の10年間」という順番で、それぞれの資産価格が上昇する状況を想定しているが、過去20年間ほどは、実に大きな「相場の歪み」が発生したことも理解できるようである。つまり、「デリバティブの大膨張」と、その後の「世界的な量的緩和(QE)」が、「経済学における重力波の役割」を果たしたものと考えているが、この結果として発生した事態は、「2009年に予定していた金(ゴールド)のバブル」が発生しなかったことだった。

しかも、この時には、「マイナス金利の発生」が意味する「世界的な国債バブル」までもが発生したが、この点については、「2016年の半ば」がピークであり、現在では、反対に、「先進各国が、出口戦略に頭を悩ましている状況」とも言えるようである。つまり、今後は、「歪んだ時空の正常化」を想定しているが、実際には、「国債価格の暴落」であり、また、「貴金属と株式が、同時にバブル状態」になる可能性である。

ただし、この点については、今までに繰り返して指摘したとおりに、「古典的なインフレの発生」、すなわち、「ギャロッピングインフレ」から「ハイパーインフレ」への移行とも考えられるようである。そのために、この点を考慮しながら、これから想定される「史上最大規模のインフレ」に、大きな注意を払う必要性があるようだが、私自身としては、「これから、本格的な金融大混乱期が始まる可能性」に憂慮しながらも、一方では、「ようやく、この段階にまで達した」という安堵感を覚えている状況でもある。