本間宗究(本間裕)のコラム

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2017.11.2

パラダイムシフトと創造的破壊

現在は、典型的な「パラダイムシフト」が起きているようだが、具体的には、「その時代や分野において当然のことと考えられていた認識や思想、社会全体の価値観などが革命的にもしくは劇的に変化する状況」のことである。別の言葉では、「文明法則史学」が教える「西洋から東洋への時代転換」であり、実際のところ、「この法則でしか、現状説明ができないのではないか?」とも考えている。

そして、このような「時代の大転換」の原動力となったのが、「マネーの大膨張」であり、この点については、「1600年前」の「西ローマ帝国の崩壊時」と同様の展開となっているようだが、大きな違いとしては、「飛躍的な技術革新」が指摘できるようである。つまり、「自然科学の分野」において、「ニュートンの万有引力の発見」以来、過去300年間で、劇的な進化が達成されたからである。

しかも、今回は、新たな「産業革命」とも言える「IoT」や「AI(人工知能」」などにより、私自身が危惧していた「マネーの縮小による、地方への人口移動」も解決できるものと考えている。つまり、今までは、「マネーの大膨張」や「通貨への信頼感向上」などにより、「多くの人々が、富を求めて大都会へ移住してきた」という状況だったが、今後は、反対に、「大インフレによる、マネーの縮小」や「都会に住みづらくなった人々が、地方へ分散を始める状況」を考慮していたのである。

そして、現在では、「国家財政の行き詰まり」や「先進各国の中央銀行による出口戦略」などにより、「私の想定する事態へ、日々刻々と近づいている段階」とも考えているが、一方で、このことは、「シュンペーターが提唱した、創造的破壊を意味するのではないか?」とも感じている。別の言葉では、「マネーの大膨張と、その後の大収縮」が、「技術革新」を生み出し、また、「古い時代」を壊す可能性のことだが、このような観点からは、今後、極めて効率的、かつ、生産的な社会の到来も予測できるようである。

具体的には、「自動車の自動運転」や「無人トラクター」、あるいは、「その他の、さまざまな技術革新」により、かつての「飛脚」や「駕籠かき」などのように、「人類が、過酷な仕事から解放される可能性」のことである。ただし、この時に必要な条件は、やはり、「経済学」や「道徳」などの「社会科学」が、飛躍的な発展を遂げることにより、「戦争」のない「平和な社会」が到来することだと考えているが、これから想定される「大インフレ」については、そのための、絶好のキッカケとなるものと考えている。