本間宗究(本間裕)のコラム

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2017.11.1

天爵と人爵

四書五経の一つである「孟子」に「天爵修めて、人爵これに従う」という言葉があるが、このことは、「天爵」という「天の位」、すなわち、「精神的な成熟度」が上昇すると、「人爵」という「この世における地位や名誉」などが後から付いてくるという考えのことである。しかし、実際の世の中においては、「北朝鮮の金正恩氏」のように、「天爵」と「人爵」が、大きく乖離したケースが頻繁に見られ、私自身も、この点に、長年、悩まされ続けてきたのも間違いのない事実である。

そのために、「天の位」と「地の位」について、それぞれ「10段階のスケール」を当てはめながら、個別の具体例を、いろいろと考えると、興味深い事実が浮かび上がってきたようにも感じている。具体的には、「金正恩氏」の場合、「天の位」については、「現代人の平均レベルである、3程度の段階」に位置しているものと思われるが、一方で、「地の位」については、「北朝鮮という国家の代表」であるために、「7程度のレベル」に位置しているようにも感じられるのである。

つまり、「人爵」が、「天爵」を上回っている状況であり、この時に発生する「想い」は、「自分の地位を保つために、どのような行為も実施すべきである」というものであり、その結果として、「自分の敵対者を排除、粛清し、自分の味方だけを集める」という行為に繋がりやすくなるものと思われるのである。そして、「金正恩氏」は、この通りの行動を取っているようだが、本来は、「帝王学」という「宰相が学ぶべき教えや考え方」を理解し、「天の位」を挙げることが求められているものと思われるのである。

このように、現在では、実に理不尽と思われる現象が、世界各国で発生しているようだが、この点については、「人類全体の天爵が上昇するために必要不可欠な出来事」とも考えられるようである。具体的には、「約6000年前」の「お金の発明」、「約4000年前」の「文字の発明」、そして、「約2000年前」の「キリストや釈迦の誕生」などのことだが、実際には、これらの出来事により、「人類全体の天爵」が、徐々に、上昇したようにも感じられるのである。

そして、今回は、「西暦2000年前後」という「時代の大転換期」、すなわち、「西洋から東洋への文明移行期」に遭遇しており、この時に、「人知では理解しがたい、神の計らい」が働いているようだ。つまり、「金正恩氏」の出現にも、何らかの意味が存在する可能性のことだが、この点については、間もなく、理由が判明するものと考えている。