本間宗究(本間裕)のコラム

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2017.11.11

堕落のメカニズム

戦後の日本は、人類史上、稀に見るほどの「高度経済成長」を達成したが、その後、「驕り」や「昂ぶり」などにより、長期の「堕落の期間」に突入したものと考えている。つまり、「バブルの発生と崩壊」であり、また、「失われた20年間」のことだが、今後は、「人類史上最大の覚醒」が起こる状況を想定しており、そのためには、「堕落のメカニズム」を解明する必要性があるものと考えている。別の言葉では、「高度経済成長期」に、すでに、「堕落の危機」が内包されていた可能性のことだが、同時に、現在の「堕落の期間」にも、反対に、大きな「覚醒」の芽が内包されているようにも感じられるのである。

そのために、今回は、「戦後の日本で、どのような現象が発生したのか?」を、「企業経営者」や「政治家」、あるいは、「官僚」に関して、「天爵(天の位)」と「人爵(地の位)」との関係性から考えてみたいと思う。つまり、「戦後の日本」は、「焼け野原」の状態、すなわち、「地の位」が「1のレベル」からスタートしたわけだが、この時に現れたのが、「松下幸之助氏」や「本田宗一郎氏」など「天の位」が「6前後のレベル」と思われる「高い志」を持った経営者だったのである。

別の言葉では、「東洋学」が教える「創業者の時代」であり、この時には、多くの人々が、「高い志」に感化され、「日本人全体の地の位」が上昇したものと考えているが、その後、「保守の時代」という「二代目の世代」に移行すると、「天の位」が低下し、「地の位」が上昇する現象が現れたものと想定されるのである。また、その後は、「事なかれ主義」から「崩壊の時代」へ移行し、現在の「国家財政破綻の危機」に見舞われている状況が発生したものと想定されるのである。つまり、「天の位」が「3程度のレベル」にまで低下した状況下で、「地の位」だけが、「マネーの大膨張」などにより、「6程度のレベルにまで位置している状態」のようにも思われるのである。

そのために、これから発生する現象は、「地の位」が「天の位」にまで低下する状況、すなわち、「金融面での焼け野原状態」だと考えているが、この時に発生する現象は、やはり、「高い志」を持った人々の「再出現」とも言えるようである。つまり、「このままではいけない」と考え、「日本の少子高齢化問題」や「世界的な金融危機」を、根本から是正する人々のことだが、実際には、「創造的破壊」という言葉のとおりに、「既成の概念や社会体制」が崩壊した時に、新たな「創業者の時代」が始まる状況のことだが、この点については、すでに、「AI(人工知能)」や「IoT」などが、大きなヒントを与えてくれているようにも感じている。