本間宗究(本間裕)のコラム
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2017.11.20
ビットコインのバブル相場
「2017年の特徴」としては、「ビットコインのバブル相場」が指摘できるようだが、実際には、年初の「約1000ドル」が、現在では、「約10倍の10000ドル前後」にまで急騰しているのである。そのために、現時点で必要なことは、「なぜ、このようなバブル相場が発生したのか?」を分析することだと思われるが、原因としては、「金融のメルトダウン(炉心溶融)」が引き起こしている「インフレの大津波」が指摘できるようである。
つまり、「2007年から2008年のGFC(世界的な金融大混乱)」が、「金融の大地震」であり、その後、私の想定する「金融の逆ピラミッド」において、「メルトダウン」が、徐々に進行している状況のことである。より具体的には、最初に、「債券の部分」で「世界的な国債バブルが発生した状況」が理解できるが、この点については、「2016年7月」の「マイナス金利のピーク」により、その下に位置する「預金の部分」にまで移行し始めたものと考えている。
その結果として、「2017年」に、前述の「ビットコインのバブル相場」に繋がったようだが、この点については、現在の「世界的な株高」と同様に、「クリーピングインフレ(忍び寄るインフレ)」から「ギャロッピング・インフレ」への移行を象徴している出来事とも言えるようである。つまり、今までは、「コンピューターマネー」という「実際の生活に影響を与えない部分」で「インフレ(通貨価値の下落)」」が発生していたものと推測されるが、この点については、「自然界の大津波が、水面下で、徐々に、陸地に向かっていた段階」とも言えるようである。
そして、現在では、「預金」から「紙幣」の段階へ、「金融のメルトダウン」が進行しつつある状況とも思われるが、このことは、「自然界の地震が、水中から姿を現し、陸地を襲う段階」とも考えられるのである。つまり、今後は、「紙幣の大増刷」が実施されることにより、「世界中の人々が、金融大混乱の本質に気付く状況」が予想されるが、問題は、やはり、「ケインズ」の説明のとおりに、「好景気と株高により、世界中の人々が、現状を誤って認識する可能性」でもあるようだ。
別の言葉では、「約6か月間のハイパーインフレ」を、実際に経験しない限り、人々が、「インフレの存在」に気付かない可能性のことだが、このことが、「2018年」において、最も重要な点であり、実際には、「決して、世界的な株高に浮かれている状況ではない」ものと考えている。