本間宗究(本間裕)のコラム

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2017.12.15

キャッシュレス社会の到来!?

現在、マスコミでは「キャッシュレス社会の到来」が話題になっているようだが、この点には、大きな注意が必要だと感じている。つまり、「お金の性質」から考えると、きわめて危機的な状況にあり、実際には、「信用のバブルが個人レベルにまで到達した状況」とも想定されるからである。別の言葉では、「世界中の人々が、目に見えない通貨に対して、過剰な信頼感を抱いた状態」とも想定されるが、このことは、「通貨の質が劣化しながらも、通貨の量が増えた状況」とも言えるのである。

より具体的には、私が想定する「信用本位制」が窮まった段階であり、この点については、「1971年のニクソンショック」以降の、世界的な「マネーの大膨張」に関する理解が必要不可欠の状況とも言えるようである。つまり、現在では、「金融システムのメルトダウン(炉心溶融)」が、「預金」の部分にまで達した状態であり、その結果として、「ビットコインのバブル」が発生したものと考えられるのである。

別の言葉では、「1929年の大恐慌の時に、最後の段階で、靴磨きの人までもが株式投資に熱中した」というような状況が、現在、「預金」や「通貨」で発生しているものと思われるのである。そのために、今後の注目点としては、「ビットコインのバブルが崩壊した後に、どのような状況が想定されるのか?」であり、実際には、「金融システムのメルトダウン」が「紙幣の部分」にまで到達する状況を想定している。

具体的には、「日銀」を中心にして、「資金繰りが、より一層、逼迫化する状況」のことだが、実際のところ、現在では、「日銀が、これ以上、国債の買い増しができない状態」となっているものと推測されるのである。そして、この実情が、広く知れ渡った時に、「国債価格の暴落」が始まり、その結果として、「日銀が、大々的な紙幣の増刷を、世界に先駆けて行う可能性」が、きわめて高くなっているのである。

そして、このことが、以前から申し上げている「ギャロッピング・インフレ」から「ハイパーインフレ」への移行過程でもあるが、このような状況を考えると、「キャッシュレス社会の到来」については、まだ先のことであり、実際には、「AI(人工知能)」や「IoT」の更なる普及が不可欠なようにも感じている。つまり、今後は、「貴金属」に対する興味と関心が広がるものと考えているが、この点については、今後、「先進各国の中央銀行」が破たん状態に陥った時に、世界的な大問題となり、その時には、「キャッシュレス社会の到来」は、ほとんど忘れ去られる可能性も憂慮している。