本間宗究(本間裕)のコラム

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2018.1.4

日銀の国債買い付け

「2017年」の「日銀による国債買い付け」については、市場の想定とは違い、大きな変化が出てきたようだ。具体的には、「年初の約410兆円から、年末の約440兆円へ」というように、「一年間で約30兆円の買い増し」という状況であり、「日銀が想定する約80兆円」からは、はるかに少ない金額となっている。そして、この理由としては、やはり、「当座預金残高の伸び悩み」が指摘できるようだが、実際には、「年初の約330兆円から年末の約368兆円へ」と「約38兆円の増加」となっているのである。

つまり、「異次元金融緩和」の正体は、実際のところ、「民間金融機関から資金を借り入れ、国債を大量に買い付ける行為」だったものと考えているが、「2017年の後半」には、ほとんど、このことが機能不全の状態となっているのである。別の言葉では、「欧米の中央銀行」と同様に、「国債買い付け金額の縮小」という、いわゆる「テーパリング」がすでに始まった段階とも想定されるが、この点については、「日銀が、いまだに、金融緩和の継続」を強調している状況とも言えるのである。

別の言葉では、「口先介入」でしか、現在の「超低金利状態」を維持できない可能性でもあるが、今後の注目点は、「いつ、市場参加者が、この変化に気付くのか?」ということでもあるようだ。つまり、「国債の買い手」が不在となった時に、「国債価格の暴落」が始まる可能性を危惧しているが、実際のところ、この時に発生する大変化については、「誰もが信じられないほどの規模になる可能性」も存在するようである。

具体的には、「日銀や国家財政の破綻」のことだが、当然のことながら、その時には、「年金」や「健康保険」の制度も、実質上、行き詰まりの状態になるものと想定されるのである。つまり、「明治維新」や「第二次世界大戦の敗戦」などの時に発生した「社会の大変革」が、より大きな規模で発生するものと想定しているが、現時点でも、この点を危惧する人は、少数派にすぎない状況でもあるようだ。

そして、目先の「株価の上昇」に浮かれているようにも感じられるが、このことは、典型的、かつ、古典的な「インフレ」の発生を象徴しているものと考えている。具体的には、「金利」や「インフレ率」が「10%台」に到達するまでの期間が、「ギャロッピング・インフレ」といわれるものであり、その後、「約6か月間のハイパーインフレ」へ移行する可能性のことだが、現在では、すでに、その動きが始まったものと思われるととともに、今後の動きが、気に掛かる状況でもあるようだ。