本間宗究(本間裕)のコラム

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2018.4.12

成功は失敗のもと

過去10年間、あまりにも異常な「世界的金融政策」と「超低金利状態」に悩まされてきたが、いよいよ、「出口」が見えるとともに、「これから、どのようなことが起こるのか?」も、ある程度、はっきりしてきたものと考えている。具体的には、「2008年前後のGFC(グローバル金融危機)」が「金融の大地震」であり、その後、「コンピューターマネーの世界」で「インフレの大津波」が、静かに進行していた状況のことである。

そして、この間において最も難しかった点は、「国債が、いつ、暴落を始めるのか?」という「タイミング」の判断だったが、現時点では、「成功は失敗のもとだった」と感想を抱いている。つまり、「失敗は成功のもと」という言葉のとおりに、「成功を収めるためには、それまでに、数多くの失敗が必要である」という事実には間違いがなく、私自身も、同様の経験を繰り返してきた。

しかし、問題は、「成功を収めた時に、その成功体験が、その後の判断を歪める可能性」でもあった。具体的には、「2001年の9・11事件」と「2007年7月から始まったサブプライム問題」のことだが、私自身は、「暦やサイクル理論の応用により、簡単に、これらの事件の予想が付いた」という状況でもあった。つまり、「成功」を体験したわけだが、現在の反省点は、「成功体験にとらわれ過ぎたために、その後の10年間、タイミングの判断に狂いが出た状況」である。

別の言葉では、「デリバティブ大膨張の時間的起点」と「西洋歴で末尾に7の付く年の特徴」にとらわれ過ぎていたために、「未来予測」に関して、微妙な狂いが出たのだった。しかし、現在では、ようやく、「1998年9月」に発生した「LTCM事件」を起点、そして、「2008年9月」の「リーマンショック事件」を中心線として、「時間的な左右対称理論」を応用すればよかったことに気付かされたのである。

そして、この点が理解できた時に、「世界の金融情勢」や「歴史的な展開」に関して、「全てが腑に落ちたような感覚」を得られたが、後は、「9月までに、どのような事件が発生するのか?」、あるいは、「2ヶ月前の7月頃に、どのような予兆的事件が発生するのか?」に注目するだけの状況とも感じている。つまり、世界的な「信用崩壊の嵐」が、「今後、どのような展開を見せるのか?」、また、すでに始まった「インフレ」が、今後、どのような状況になるのか?」という点だが、実際には、徐々に、私の想定どおりの状況となっているものと感じている。

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