本間宗究(本間裕)のコラム

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2018.4.23

本丸と外堀

世の中は、現在、大混乱の状況である。まさに、「内憂外患」という言葉のとおりに、国内だけではなく、国外でも、さまざまな事件や問題が多発しているが、同時に、「天変地異」という言葉のとおりに、地震や火山の噴火などにも、多くの人々が、頭を悩まされており、このことは、やはり、「世の中が窮まった段階」、あるいは、「時代の大転換期」を象徴するような状況とも言えるようだ。

つまり、「文明法則史学」が教えるとおりに、「西洋の時代」から「東洋の時代」への大転換期を迎えている状況のことだが、この点を理解する人は、現在でも、ほとんど存在しないようにも感じている。別の言葉では、「訳が分からないために、過度の恐怖心が支配している状況」とも言えるようだが、今後は、「幽霊の正体見たり枯れ尾花」というような展開も想定できるようである。

具体的には、「現在の混迷は、ほとんど全ての原因が、『マネーの大膨張』にある」という点が理解でき、また、「お金の性質」や「歴史の法則」などが理解できた時に、恐怖心が消え去り、心の安寧が生まれるものと思われるのである。つまり、「世界の実情」、そして、「歴史的な推移」が、正確に理解される状況のことだが、この点に関しては、やはり、「現在のマイナス金利や超低金利状態が、歴史的に、どれほど異様な状態なのか?」を考える必要性が存在するようだ。

あるいは、「外堀の問題」と「本丸の問題」を分ける必要性のことでもあるが、現在の「官僚の不祥事」などについては、「外堀の問題」だと考えている。つまり、「世界の膿出し」において、今までは「外堀」が埋まってきた状況であり、今後は、「大膨張したマネーの崩壊」という「本丸」に、問題が移行するものと想定されるのである。

具体的には、「コンピューターマネー」に変化した「現代の通貨」が、実は、「影も形も存在しない、単なる数字である」という事実に気付くことであり、また、「お金に振り回されない人生」を確立することである。

別の言葉では、間もなく、これらの事実に気付かされるような大事件の発生を想定しているが、この点については、「150年前の明治維新」や「70年ほど前の敗戦」も、似たような状況でもあったようだ。そして、この時に、本当の意味での「日本人の覚醒」が始まるものと考えているが、現在では、きわめて近くなった段階のようにも感じている。