本間宗究(本間裕)のコラム

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2018.5.2

パンゲアの扉

日経新聞に「パンゲアの扉」という特集記事が5回にわたって掲載された。そして、内容としては、今後、大きなパラダイムシフトが発生し、世界が大きく変化する可能性が述べられていたが、この点については、まったく同感する状況である。つまり、私自身としては、今後、「西洋の時代」から「東洋の時代」に移行するとともに、「AI(人工知能)」の活用などにより、全く新たな社会が形成されるものと考えているからだ。

そして、この時の必要条件として、「自然科学」の更なる進化に加えて、「社会科学」の飛躍的な発展が指摘できるようだが、実際には、「経済学」を始めとして「人間の行動を解明する学問」が急速に進化する可能性である。別の言葉では、「技術の進化」に対応する「道徳的、かつ、倫理的な向上」のことだが、実際には、「戦争などの奪い合い」ではなく、「共同体的な助け合いの社会」が形成される可能性でもある。

また、「パンゲアの扉」については、かつての「パンゲア大陸」のように、世界全体が物理的に結びつくのではなく、「精神的な融合」を意味しているようにも感じられた。具体的には、「唯識論」が教える「阿頼耶識」や「ユング理論」が教える「深層心理」のことであり、また、「般若心経」にある「阿弥陀の智慧」のことでもあるが、この点については、今後、急速に、人々の認識や理解が深まっていく状況を想定している。

具体的には、「脳科学者」などが「心の発見」などの著書により、真剣に、「心の問題」を追求し始めているからだが、この時に、大きな役割を果たすのが、これから想定される「金融大混乱」でもあるようだ。つまり、「現代の神」となった「お金」が、今後、「神から紙へ」変化する状況が発生した時に、戦後の日本人が味わったような「大きなショック」を、世界中の人々が味わう可能性である。

より具体的には、「軍国主義」から「民主主義」への大転換が、かつて、日本人が味わった大変化でもあったが、今回は、当時よりも、はるかに大きな規模での「ショック」が襲うものと想定されるのである。そして、この時に、「人類の覚醒」が起き、「パンゲアの扉」が開くものと思われるが、実際には、このことが、「人類が、絶えざる進化と創造を繰り返すメカニズム」とも言えるようである。つまり、20世紀における最高の歴史学者と言われた「アーノルド・トインビー」が述べた「チャレンジ」と「レスポンス」のことだが、今回の「チャレンジ」と「レスポンス」は、数百年に一度の規模であり、また、タイミングも、きわめて近くなった段階のようにも感じている。