本間宗究(本間裕)のコラム

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2018.5.24

通貨の堕落がもたらす崩壊の力

多くの人が、すでに指摘しているように、今回の「日大アメフト部事件」については、「加計学園や森友学園の問題」と似たような構図となっている。具体的には、「権力者の指示」に対して、「取り巻き」が、どのように忖度し、また、「誰が実際の悪事を行ったのか?」という点である。そして、今回は、「日大の選手」が素直に告白したものの、「監督やコーチは、理解の乖離を主張している状況」となっているが、この点については、「天網恢恢、疎にして漏らさず」という「老子の言葉」のとおりに、間もなく、真実が明らかになるものと考えている。

つまり、どのような問題についても、「事実が発覚し、人々に認識された時点で、半分程度、解決されているのではないか?」と理解しているが、注目すべき点は、「発生していながらも、いまだに、人々に正確に認識されていない状況」である。具体的には、「国家の債務問題」であり、また、「異次元金融緩和からの出口」のことだが、この点については、前述の「加計学園」や「森友学園」の初期段階のように、「大問題でありながら、マスコミや国民が大騒ぎしていない状況」とも考えている。

別の言葉では、「国債価格の暴落とともに、日本のみならず、世界中が大騒ぎをする状況」を想定しているが、「なぜ、現在でも、人々がのんびりしているのか?」を考えると、結局は、「通貨の堕落がもたらす崩壊の力」が指摘できるようである。つまり、「倫理観」や「道徳心」のみならず、「思考力」や「先見性」までもが崩壊している可能性のことだが、実際には、「将来を直視することへの恐怖心」が、人々の眼を曇らせているようにも感じている。

具体的には、「国家の財政が破たんしたら、大変なことになる」、あるいは、「お金が紙きれになることは、現在の日本では有り得ないことだ」というような認識を、いまだに、日本人が抱いているようにも思われるのである。別の言葉では、「今までの人生で経験しなかったから、今後も起こらないだろう」というような「希望的観測」を持っているようにも思われるが、「時代の大転換期」は「常識が破壊される時」でもある。

つまり、「森友学園問題で自殺した官僚」のように、「常識が壊された」というような認識を、今後、多くの人が持つものと想定されるが、現在、発生している様々な事件は、この点に関する、「天からのメッセージ」、あるいは、「人々への警告」とも言えるようだが、現在の世界情勢から鑑みると、時間的な余裕は、すでに無くなったものと感じている。