本間宗究(本間裕)のコラム

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2018.8.23

絆の基本

現在、「絆の重要性」が盛んに強調されているが、実際には、既存の「マネー理論」や「投資理論」と同様に、きわめて曖昧な段階に留まっているようである。つまり、「株は安い時に買い、高くなった時に売れば儲かる」というような「考え」が、「絆」についても用いられているようだが、実際には、「お金の謎」を解く時と同様に、「具体例を挙げて、実証的に分析する必要性」があるものと思われるのである。

具体的には、「絆の基本」が「一次元の絆」という「二人の人間が、共同作業を行う状態」にあるものと考えているが、このことは、「二人の人間が、一本の縄を回す行為」とも言えるようである。つまり、それぞれの人が、「同じ力」と「逆向きの行動」を取った時に、「一本の縄が綺麗に回転運動を行う状況」となり、このことは、「絆」という文字が意味するとおりに、「二人の心が、中間点で結びついた状況」とも言えるのである。

また、「二次元の絆」については「三人」、そして、「三次元の絆」については、「多数の人」が関わり、「球体」のような状況になるものと考えているが、現状については、「トランプ大統領」が「世界の絆」を崩壊させる行動を取っているようにも感じている。つまり、「米中の貿易戦争」や「トルコショック」などを引き起こしている状況のことだが、実際には、「自分の立場」だけを考えた結果として、「過去の歴史」や「将来の展望」などが忘れ去られた状況とも言えるようである。

別の言葉では、今までに積み上げられた「信用」により、現在、未曽有の規模で「マネーの大膨張」が引き起こされているが、この時に考えなければいけないことは、「絆」が「信用」を生み出し、「信用」が形となったものが「マネー」であるという事実である。しかも、現在の「アメリカの競争力」については、ほとんどが、「大膨張したマネー経済」が、主な原動力となっていたことも理解できるのである。

つまり、現在の世界は、「アメリカ」を中心にして、「切り花のような状態」となっており、実際には、「根本の信用」が失われながらも、「表面上のマネー」だけが、立派な姿を誇っている状況のことである。しかし、最近の「トランプ大統領の言動」については、「貿易戦争」などにより、「実体経済」を破壊する行為にまで及んでいるようだが、この時に考えなければいけない点は、「マネー経済が、実体経済よりも、はるかに大きな規模にまで膨らんでいる」という事実であり、また、「マネー経済の崩壊は、未曽有の規模で通貨価値の激減(インフレ)を引き起こす」という厳然たる真理でもあるようだ。