本間宗究(本間裕)のコラム

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2018.11.11

信用本位制のジグソーパズル

私自身は、金融界に携わって、今年で「42年目の年」を迎えたが、現在、心の底から感じることは、「人生は山登りであり、また、ジグソーパズルを解くようなものだ」ということである。つまり、全ての人は、さまざまな「体験」を経て、確実な「真理」が積み上がることにより、「ジグソーパズル」が解け、徐々に「精神的なレベル」が上昇するものと考えている。そして、この結果として発生する現象が、「世の中の見通しが良くなる状況」、あるいは、「人類全体が進化する状況」のようにも感じられるのである。

また、この点に関して、私自身が感じてきたことは、「信用本位制のジグソーパズル、あるいは、謎」でもあったが、実際には、「1971年のニクソンショック」以降、現在の通貨制度となった「信用本位制」に関して、「時間の経過とともに、全体像が、徐々に見えてきた状況」のことである。そして、間もなく、「ジグソーパズルの全体像」が、完全に姿を現すものと考えているが、この点に関して、きわめて重要な「ヒント」となったのが「2018年9月」に発生した「世界的な金利上昇」だった。

つまり、「不良債権の発生と移行のメカニズム」を深く研究していた時に、実に「単純なメカニズム」が頭に浮かんでくるとともに、「信用本位制のジグソーパズル」に関して、「最後のワンピースが埋まったのではないか?」という感想を抱いたのである。別の言葉では、今まで悩まされてきた「デリバティブの大膨張」と「金利低下」の関係性について、はっきりとした「答え」が得られたようにも感じたが、この点については、間もなく、結論が出るものと考えている。

より詳しく申し上げると、現在、「未曽有の規模で、金利上昇圧力が高まっている可能性」が存在しており、このことは、近い将来に、「世界的な国債価格の暴落」という形で実現されるものと考えている。別の言葉では、本格的な「インフレ」が発生する可能性のことでもあるが、驚いたこととしては、現在でも、「ケインズ」が主張するとおりに「100万人に一人も、実情に気付いていない状況」となっているのである。

つまり、「金利が上がろうとも、また、財政赤字が増えようとも、自分の国の通貨だけは、常に安全である」と考えているような状況のことだが、実際には、「思考停止の状態」となり、単に、「惰性だけで生活している状態」とも言えるようである。その結果として、これから想定される大混乱に際して、世界中の人々がパニックに陥る局面も想定されるが、タイミングとしては、現在、「12月の甲子」という「暦」が気に掛かっている。