本間宗究(本間裕)のコラム

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2019.3.7

日銀の政策転換!?

「日銀の金融政策」に、現在、大きな変化が発生しているものと考えている。具体的には、従来の「当座預金を増やして、国債を買い付ける方法」が行き詰まりを見せているために、最近では、「その他預金や政府預金の増加で、国債の買い増しを実施する方法」が採用された可能性である。別の言葉では、「量的緩和(QE)」の原資となっていた「当座預金」が増やせなくなったために、「奥の手」とも言える「海外の中央銀行」、あるいは、「政府」からの「借金」により、「国債」を買い付け、「超低金利の状態」を継続しようとする状況のことである。

そして、この点を、「お金の性質」から考えると、今までは、いわゆる「コンピューターマネー」の存在により、「量的緩和」が可能だったものと思われるが、「2018年9月」に起こったことは、「金融メルトダウン」の進行により、「コンピューターマネー」が枯渇し始めた状況でもあったようだ。その結果として、「金利の上昇」に慌てた「中央銀行」が、「BIS(国際決済銀行)」が、以前から指摘してきたように、「ありとあらゆる限りの手段」を行使し始めた状況とも思われるのである。

別の言葉では、「お金が借りられなくなった個人が、サラ金などに手を出したような状態」とも言えるようだが、今後の注目点は、やはり、「BIS」が指摘する「市場の反乱」、すなわち、「国債価格の暴落」でもあるようだ。つまり、「1991年のソ連」と同様に、「国債の買い手」が消滅し、「国債価格が暴落する状況(金利は急騰)」のことだが、この時に発生する現象は、「急激な金利とインフレ率の上昇」であり、また、「ギャロッピング・インフレ」と言われる「景気の好転」だと考えている。

このように、今回の「異次元の金融緩和」については、すでに、「金融政策の転換が、秘密裏に実施され始めた可能性」があるものと考えているが、最も難しかった点は、やはり、「一国だけの国家財政問題」ではなく、「全ての先進各国が、危機的な財政状態に陥る」というような「金融システムの問題」でもあった。別の言葉では、私が提唱する「信用本位制」において、「コンピューターマネー」が大量に作られるとともに、「約10年間にわたり、問題の先送りが可能だった」という状況のことである。

しかし、今後、最も注目すべき点は、「時間的な遅れ」が発生した事実が、「今後、どのような影響を与えるのか?」という点だが、実際には、「誰もが経験したことがないほどの規模で、世界的なハイパーインフレが発生する可能性」だと感じている。