本間宗究(本間裕)のコラム
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2019.6.28
バブルと新理論
「バブルの特徴」としては「バブルの崩壊まで、ほとんどの人が、バブルの発生や存在に気付かない」、そして、「バブルの最終局面で、バブルを正当化する新理論が誕生する」という点が指摘できるものと考えている。具体的には、「1980年代の後半」に発生した「日本の土地と株式のバブル」については、「誰もバブルだとは考えず、新たに誕生したQレシオなどの理論を、完全に信じ込んだ」という状況だった。また、「1999年」については、ご存知のとおりに、「ニューエコノミー理論」が誕生し、「IT銘柄以外は株式ではない」、そのために、「オールドエコノミー銘柄を売却して、ニューエコノミー銘柄を買うべきだ」という認識が世界的に広まったのである。
そして、このような観点から、現在の状況を鑑みると、典型的な「バブル」が発生し、同時に、「バブルを正当化する新理論が誕生した状況」のようにも感じているが、具体的には、「デジタル通貨」や「コンピューターマネー」などのように「目に見えない、単なる数字が、通貨として使われている状況」のことである。つまり、「現代の通貨」は、「裸の王様」の物語のように、「影も形も存在しない、コンピューターの中に存在する数字」に変化しながらも、世界的に絶大な信用を享受しており、このような状況下で誕生したのが、現在の「MMT(現代貨幣理論)」とも思われるのである。
別の言葉では、現在、典型的な「バブルの特徴」が見られるものと考えているが、この時の問題点は、前述のとおりに、「バブルの崩壊まで、バブルの存在に気付かない」という事実だと考えている。具体的には、「金融界の白血病」という言葉のとおりに、「世界的な国債価格の暴落」や「デリバティブの完全崩壊」などの大事件が発生し、その結果として、「世界的な紙幣の大増刷」が発生する状況であり、この時には、「紙幣は、コンピューターネットワークの中を流れることができない」という「単純な事実」により、「現在の通貨」が使用不能となる状況も想定されるのである。
しかも、このような状況下で、「アメリカのトランプ大統領」は、「世界の信用を完全消滅させる行為」を、着々と実行しているものと考えているが、現時点で必要なことは、「1995年当時、アメリカは、どのような状況だったのか?」を思い出すことだと考えている。つまり、「三つ子の赤字」に悩まされ、「国家財政が破たん寸前の状況」となったのだが、この時の救世主となったのが、いわゆる「デリバティブ(金融派生商品)」であり、今までは、「この恩恵を受けて、表面上の繁栄を謳歌できた状況」だったが、残念ながら、トランプ大統領は、この点が理解できない状況とも言えるようである。