本間宗究(本間裕)のコラム

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2019.11.01

リーダーとガバナー

西暦1800年前後に「資本主義」が成立したと言われているが、「過去200年に、どのような変化が発生したのか?」を考えると、「イギリス(大英帝国)」や「アメリカ」が、「覇権国家」という「ガバナー(支配者)の役割」を果たしてきたことには、誰も異論がないものと考えている。しかし、一方で、「日本は、どのような立場だったのか?」については、基本的に、「リーダー(先導者)の役割」を果たしてきたようにも感じているが、実際には、第二次世界大戦後に「実体経済の高度成長」を達成し、その後、「金融政策の面で、現在、世界の先導者となっている状況」のことである。

具体的には、「金融システムの崩壊を防ぐために、ありとあらゆる手段を実施した状況」のことだが、この点を、より深く考えると、実際には、「明治維新以降も、同様の状況だった可能性」が浮かび上がってくるようである。つまり、「富国強兵」と「殖産興業」という「スローガン」、また、「廃仏毀釈」と「簡素化された神道」という「意識のコントロール」により、「明治維新から第二次世界大戦まで、日本は、着々と、軍事国家への道筋を辿った状況」のことである。

そして、この時に重要な点は、「天皇陛下」に対して、突如として、「絶対的な権力」を付与したことだと思われるが、実際には、最後の段階で「現人神」と呼ばれるほどの「偉大な存在」にまで昇り詰めたのである。つまり、「国民が、政府に反抗できないような状況」が産み出されたわけだが、この点については、現在、「お金(マネー)」が「現代の神様」となり「誰も、政府の異次元金融政策に反抗できない状況」が参考になるようである。

また、この点に関する注目点は、「これから、どのような結末を迎えるのか?」ということだが、ご存知のとおりに、「明治維新から77年後に、日本は敗戦を迎えた」という状況でもあり、そのために、「敗戦から75年目を迎えた現在」が、たいへん気に掛かる状況とも言えるのである。つまり、「金融敗戦」が発生する可能性だが、この点については、「少子高齢化」や「老後の2000万円」などの「問題」により、多くの日本人は、心の底で、将来の予想を持ち始めた状況とも言えるようである。

具体的には、「国家財政の行き詰まり」が発生する可能性だが、この点については、現在、「恐いもの見たさ」という「心理」よりも、「恐いものは発生して欲しくない」という「願望」の方が勝っている状況とも言えるようだが、参考になるのは、「1945年の日本人」が「敗戦により、ほぼ瞬間的に、民主主義に転換した事実」だと考えている。