本間宗究(本間裕)のコラム

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2020.2.26

デジタル通貨と新型コロナウイルス

今回の「新型コロナウイルス」には、いろいろな「天からのメッセージ」が隠されているものと感じているが、私が最も注目していることは、「1998年の信用収縮以来、なぜ、ゼロ金利やマイナス金利などの超低金利状態が継続したのか?」に対する「答え」である。つまり、この点に関して重要なポイントは、「過去20年以上」も継続した「金融システムのブラックホール」に関して、「デジタル通貨」と「新型コロナウイルス」が、まったく「逆の効果」をもたらしている状況である。

具体的には、どちらも「目に見えないもの」でありながら、「人々の行動」に対して、きわめて大きな影響力を持っていることも見て取れるのである。つまり、大量に創られた「現代のマネー」は、今まで、さまざまな「経済活動」、あるいは、「創作活動」を促してきたわけだが、実際には、「デジタル通貨」が、「人々の夢と希望」を刺激し、また、「人間の煩悩」を全開させた状況とも言えるのである。

しかし、一方で、「2019年末」に発生した「ゴーン容疑者の密出国」以降の現象としては、反対に、「新型コロナウイルス」が世界的に蔓延し、「世界の経済活動を機能不全に陥れた状況」だったことも見て取れるのである。つまり、「目に見えないウイルス」が「人々の恐怖心」を煽った結果として、「実体経済のマヒ状態」とでも呼ぶべき状況が、世界的に広がったのである。

そして、この時に発生した変化は、「お金よりも、命のほうが大切である」という「当たり前の事実」について「世界中の人々の意識が、ほぼ瞬間的に、認識した可能性」であり、このことは、今まで、「金融界のブラックホール」に隠されていたものが、表に出始めた状況とも感じられるのである。つまり、過去20年あまりの期間に発生した、「デリバティブの大膨張」と「量的緩和」に関して、「世界中の人々が、どれほど、デジタル通貨の恩恵を被ったのか?」が理解され始めた可能性である。

このように、「欲望」や「信用」を形にしたものが「マネー」であるが、現在では、反対に、「欲望」や「信用」の裏側に存在する「恐怖心」が表面化した状況とも考えられるのである。つまり、今後は、「文明法則史学」が教えるとおりに、「目に見えないもの」が、人々の重要な関心事になるものと思われるが、このキッカケとなるのが、目に見えない「デジタル通貨」が、目に見える「紙幣」となり、世界を暴れまわる状況、すなわち、本当の意味での「インフレ(通貨価値の下落)」とも感じられるのである。

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