本間宗究(本間裕)のコラム
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2020.4.14
金市場における異変
現在、世界の金(ゴールド)市場で、いろいろな異変が発生しているが、その一つは、「ロンドン市場の現物価格」と「ニューヨーク市場の先物価格」との間に、大きな開きが発生している状況である。そして、この理由としては、やはり、20年以上も前から噂されてきた「金の価格操作」が指摘できるようだが、実際には、「デリバティブの大膨張で、大量の資金を手にしたメガバンク」が、「金(ゴールド)」のみならず、「金利」や「株価」、あるいは、「為替市場」までをも支配してきた状況のことである。
より具体的には、「ゼロ金利」や「マイナス金利」などの「超低金利状態の蓋」で覆われた「金融界のブラックホール」の内部で、さまざまな価格操作が行われてきた疑いが存在するのである。そして、今までは、「金の価格操作」に対する裁判が実施されながらも、「証拠不足で、有罪の判決が出なかった」という状況だったが、この点については、現在の「日本における森友問題」のように、「政府や官僚が、具体的な証拠や資料を示さないために、一般庶民にとっては、全く、打つ手がない状況」だったようにも感じている。
つまり、一種の「権力の壁」とでも呼ぶべきものが存在した状態のことだが、この点に関して、過去の歴史が教えることは、「時間の経過とともに、必ず、真実が暴露される」という展開だと感じている。別の言葉では、「王様の耳はロバの耳」という物語のとおりに、「真実が隠し切れなくなる状況」のことだが、今までは、「超低金利状態を維持するために、さまざまな市場で、いろいろな価格が、強引に押さえつけられてきた状態」だったものと思われるのである。
そして、このことが、いわゆる「海中のビーチボール状態」のことだが、実際のところ、現在の「さまざまな商品価格」については、歴史的に、きわめて異常な事態となっていることも見て取れるのである。つまり、前述の「マイナス金利」を筆頭にして、本末転倒の状態が、多くの分野で発生しているわけだが、実際には、映画の「猿の惑星」のように、「主客が転倒した社会」において「真実が見えなくなっている状況」とも思われるのである。
そのために、今後の「金価格」は、もっともおおきな注目点の一つだと考えているが、現在、発生している現象は、「銀やプラチナなどの現物が、世界的に手に入りにくくなっている状況」、すなわち、「大量に存在する現代のマネー」に比較して、「さまざまな商品の量がわずかな状態」となっているために、「お金を持っていても、役に立たない状況」が、いろいろな分野で発生し始めている状況とも言えるようである。