本間宗究(本間裕)のコラム

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2020.8.1

中国共産党の問題点

1949年に誕生した「中華人民共和国」は、その後、「文化大革命(1966年から1977年)」を経て、「鄧小平氏による改革開放路線」へと変化した状況でもあったが、この時に言われたことは、「黒猫であれ白猫であれ、ネズミを捕るのがいい猫だ」ということだった。つまり、「共産党の指導下で、資本主義体制への移行」が始まったわけだが、このことは、「マルクス・レーニン主義」という「プロレタリア革命」を標榜する国家が、「表面に仮面を付けた形で、世界の民主主義国家と経済的な結び付きを強めていった状況」を表しているのである。

別の言葉では、「明治維新以降の日本」を、半分程度の期間で繰り返している状況とも言えるようだが、この時に注意すべき点は、「軍事力」と「経済力」の混同のようにも感じている。つまり、「1945年の敗戦」で、日本人が気付かされたことは、「帝国主義」という「軍事力で他国の領土や富を奪う行為」は、完全に時代遅れであるという事実であり、そのために、その後、「経済力や資金力による優位性」を求めて、世界的な「実体経済の成長」そして、「マネーの大膨張」に追随していったものと考えられるのである。

そして、過去30年間、マネーの大膨張で、最も恩恵を受けたのが、「米国」と「中国」だったものと思われるが、実際には、「デジタル通貨の発展、そして、大膨張」が引き起こした「デリバティブのバブル」により、「強大な権力を獲得、あるいは、保持できた状況」だったものと考えられるのである。つまり、「大量に存在するマネー」を基にして、「強大な軍事力」を持ったわけだが、この結果として発生した「変化」は、「中国共産党が、本性を表し始めた可能性」とも感じている。

別の言葉では、「文化大革命」で「中国4000年の伝統」を捨て去った国家が、「ソ連と同様に、強権政治を始めた可能性」のことだが、この点については、「中国の歴史上、同様の事態が頻繁に繰り返された状況」だったものと考えている。そして、「独裁者の末路」については、数多くの事例が存在するとともに、人々が反省する過程において、「儒教」や「道教」などが発展したものと思われるのである。

しかし、現在の中国においては、この点が、全く失念されるとともに、過去の失敗が繰り返される状況のようにも感じているが、今後、最も注目すべき事態は、やはり、「デジタル通貨」が完全消滅したときに、「米中の両国のみならず、世界各国が、かつてのソ連のような状態に陥る可能性」だと考えている。