本間宗究(本間裕)のコラム

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2020.8.21

AI将棋が意味すること

数年前、囲碁の世界チャンピオンが「AI(人工知能)」に完敗した時に感じたことは、「これから、囲碁や将棋などが消え去るのではないか?」ということだったが、今回、「藤井二冠の将棋」から教えられたことは、「対立から共存へ」ということでもあった。つまり、藤井二冠が実践したことは、「AIとの勝ち負け」を考えることではなく、「AIから、何を学べるのか?」ということであり、実際には、「既存の常識を捨てて、最善手を考えること」とも思われたのである。

そして、この方法は、今後、「人生における最善手」を考える上で、大変参考になるものと感じられたわけだが、具体的には、「AI」には勝てない状況の「藤井二冠」でありながら、「将棋の真理」を考える上で、「AI」が役に立つことが、今回、はっきりと証明されたものと思われるのである。つまり、「数多くの選択肢から、どの手を指すことが、自分にとって最善なのか?」を常に考えることであり、この方法論を、「心理学や組織論」、あるいは、「経済学や金融論」などの「社会科学」に応用すると、新たな社会の構築に対して、大きな貢献が可能な状況のようにも感じられたのである。

別の言葉では、これから想定される「第二の枢軸時代」、すなわち、「東洋の唯心論が追求される時代」においては、「人々の意識と行動」を「AIで分析する手法」が有効な状況のようにも思われるのである。より具体的には、「弘法大師が主張する十住心論」などを、詳しく研究する必要性のことでもあるが、この時に注意すべき点は、やはり、「デジタル通貨の完全消滅」であり、実際には、「通貨の残高が、実質的に急減する事態」とも言えるようである。

つまり、今までは、「お金儲け」が、人々の行動を決定する「大きな要因」となっており、しかも、大量に存在する「マネー」を利用して、さまざまな行動が可能な状況でもあった。しかし、今後は、「マネー経済の急激な収縮」により、「所得の減少」と「価値観の変化」に見舞われる状況を想定しているが、実際には、多くの人々が悩み苦しんだ結果として、「人生の目的や意味」などを、改めて考える時間が訪れる可能性である。

つまり、「パンとサーカス」のような生活から、「地に足が付いた人生」への大転換が発生するものと考えているが、当面は、「文明法則史学」が教える「民族の大移動」のとおりに、「都会における生活」が難しくなった人々が、「地方」への分散を始める状況が想定されるものと感じている。

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