本間宗究(本間裕)のコラム

* 直近のコラムは、こちら

2020.9.9

中国の戦狼外交

現在では、「中国の戦狼外交」が世界的な大問題となってきたが、今までは、「羊の皮を被った狼」という言葉のとおりに、「資本主義社会の仲間入りをしたように見せかけて、裏側で、軍事大国、あるいは、共産主義国家への道筋を歩んでいた状況」だったようにも感じている。つまり、中国共産党が目論んでいることは、「マルクス・レーニン主義」の目的である「プロレタリア革命」である可能性のことだが、実際のところ、現在の「習近平氏」については、「毛沢東時代の文化大革命を再現しようとしているのではないか?」というような観測記事が見られる状況となっているのである。

別の言葉では、「史的唯物論」という「資本主義の後に共産主義の時代が訪れる」という理論を信じ込んでいる可能性も想定されるわけだが、この点については、「1991年のソ連崩壊」からも理解できるように、全く根拠のない妄想だったものと考えている。つまり、「プロレタリアート(賃金労働者)が、ブルジョアジー(有産階級)によって搾取されている」というような「単純な理解」、あるいは、「今日までのあらゆる社会の歴史は、闘争階級の歴史である」というような「誤った認識」により、「国家全体が、崩壊の方向に向かっていた状況」だったようにも思われるのである。

そのために、現時点で危惧されることは、「中国が、今後、どのような方向に向かうのか?」ということだが、実際には、「世界各国で、いろいろな紛争を起こしている状況」となっているのである。つまり、「大中華思想」と揶揄されるように「資金力や武力を背景にして、世界全体を支配しようとしている状況」とも言えるようだが、実際のところは、「新疆ウイグル」や「内モンゴル自治区」の状況からも明らかなように、「国家権力を背景にして、人民から搾取を行っている状態」のようにも感じられるのである。

別の言葉では、「中国共産党」という「ブルジョワ体制」が、「中国人民」という「プロレタリアート」を困らせている状況のようにも感じているが、この点については、「1991年のソ連」においても、似たような構造だったものと考えている。そして、「金の切れ目が縁の切れ目」という言葉のとおりに、「国家財政の破綻」が「国家の崩壊、そして、分裂」を引き起こした状況だったものと思われるのである。

しかも、今回は、「日米欧の先進国」までもが、同様の状況となっているために、これから発生する事態は、やはり、「1600年前の西ローマ帝国」と同様に、「西洋の時代」が終焉し、「東洋の時代」が始まる展開のようにも感じている。