本間宗究(本間裕)のコラム

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2020.12.23

易とDNA

数十年前に「易とDNA」に関する本を読んで以来、この問題を考え続けてきたが、現在では、「受精卵の分割」、あるいは、「生命の誕生から死」までの推移を表していたようにも感じている。つまり、「易」と「DNA」が同じ構造をしているのは、きわめて当然のことであり、結局は、「当たるも八卦、当たらぬも八卦」という言葉のとおりに、「易経による未来予測」については、きわめて難しい状況とも言えるのである。

ただし、一方では、「人間の一生」が、「幼少期」や「青年期」、そして、「熟年期」や「晩年」に仕分けられるように、「時間の経過とともに、生命が、どのような変化を見せるのか?」については、意味のある事のようにも感じている。つまり、この点を、文明法則史学に当てはめた時に、「西暦1200年から2000年までの西洋の時代が、どのような推移で変化を見せたのか?」が理解できるようにも思われるのである。

別の言葉では、「現在の大膨張したマネー経済が、どのようにして出来上がったのか?」を分析することでもあるが、基本的には、「人々の意識と行動が、どのような変化を見せたのか?」が、主な要因だったようにも考えている。つまり、「800年前の人々は、神に執着しすぎた結果として、自由な行動ができなくなっていた状況」だったようにも思われるが、その後、「宗教改革」や「啓蒙思想」などの時期を経て、「資本主義」の時代が始まったことも見て取れるのである。

しかし、現在では、「800年前とは反対に、世界中の人々が、マネー(お金)に執着しすぎた結果として、人類が住みづらくなるような地球環境までをも生み出した段階」とも言えるのである。より具体的には、「コンピューターの発展に伴って誕生したデジタル通貨」を獲得することが、「人類が抱く最大の価値観」となっているのだが、今後の注目点は、「竜宮城から持ち帰った浦島太郎の玉手箱」のように、「デジタル通貨が、一瞬にして、雲散霧消する可能性」だと考えている。

つまり、「日米欧の中央銀行が、現在、どのような行動を取っているのか?」を吟味すると、今までは、「デジタル通貨の信用を維持するために、国債の大量買い付けを実施し、超低金利状態を作り出した」という状況だったのである。しかし、現在では、徐々に、「紙幣の増刷」が始まっており、この点に気づいた人々が、貴金属や株式などの実物資産をかい始めた状況とも言えるが、このことは、「西洋文明の死」を意味しており、「人間の死」と同様に、ある日、突然に、命が失われる状況が当てはまるものと考えている。