本間宗究(本間裕)のコラム

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2020.12.24

世界の債務残高

現在、海外では、「世界の債務残高が、どのような過程を経て、現在の状態にまで大膨張したのか?」が注目され始めている。具体的には、「西暦0年から1971年までの約2000年間」に「約5兆ドル(約520兆円)の増加」という状況でありながら、「1971年から2000年までの約29年間」に「約75兆ドル(約7800兆円)の増加」、そして、「2000年から2020年までの約20年間」に「約200兆ドル(約2.08京円)の増加」という状況のことである。

つまり、過去20年間については、私が指摘するとおりに、きわめて異常な「マネーの大膨張期」であり、その結果として、「世界の債務残高」についても、同様の「異常な大膨張」をしたことも見て取れるのである。別の言葉では、「金融界のブラックホール」の内部で「デリバティブという金融商品」が大膨張し、その結果として、「世界のマネー残高」、そして、「借金の総額」が、急激に増えたのである。

そのために、今後、危惧される点は、「金利の上昇とともに、債務の不履行が世界的に増加する事態」でもあるが、この点については、「金融システムの実情」を正確に理解する必要性があるものと考えている。別の言葉では、「世界各国の中央銀行が、過去20年間に、どのような行動を取っていたのか?」を、具体的な数字で把握することでもあるが、実際には、「ありとあらゆるところから借金を重ねて国債を買い付けることにより、超低金利状態を作り出した」という状況のことである。

ただし、現在では、この方法が行き詰まりを見せ、徐々に、「紙幣の増刷」が始まっているが、私の想定よりも時間的な遅れが発生した点については、「国民の覚醒」を促すための必要条件だったようにも感じている。つまり、本当の意味での「インフレ(通貨価値の下落)」が、世界的に認識されるための必要条件のことだが、今後は、「デジタル通貨が、今後、どのようなスピードで収縮するのか?」が注目されるものと考えている。

具体的には、「これから、どのようなスピードで、金利が上昇し、また、紙幣の増刷が実施されるのか?」ということだが、現在、この点に関しては、「マネーの死」という言葉が、再度、使われ始めた状況となっている。別の言葉では、現在の「マネー」について、「性質」や「正体」「が明らかにされ始めたものと思われるが、今後の注目点は、「日本人の性格」であり、実際には、「パニックに陥りやすく、しかも、一斉に、同じような行動を取る可能性」とも言えるようである。