本間宗究(本間裕)のコラム

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2020.12.26

空の思想

最近、驚かされたことの一つに、「旧約聖書にも空(くう)の思想が存在していた」という点が挙げられるが、具体的には、「コヘレトの言葉」に「仏教」と同様の考えが存在する事実である。つまり、般若心経における「空即是色」というような理解や認識のことだが、基本的には、「ギリシャ哲学」に「中庸の思想」が存在するように、「西洋と東洋の違いが、それほど大きくない可能性」を示唆しているようにも感じている。

そのために、これから必要とされることは、「思想や哲学、そして、宗教の統合」であり、実際には、「空の思想」に関して、より深い分析を行うことであり、また、聖書に書かれている「はじめに言葉あり」という説明のように、「宇宙の始まり」である「ビッグバン」が、「神の言葉」から始まった可能性を考慮することである。別の言葉では、「光あれ」という言葉により、「神が発した波動」が広がったものと思われるが、現在の「私の仮説」は、「全てが神の創造物」であり、そして、「人間の心」だけが例外だと考えている。

より具体的には、「目に見えるものや見えないもの」、あるいは、「耳に聞こえるものや聞こえないもの」という「有無の区別」は、すべて、「神が創った世界」における判断基準とも思われるのである。しかし、一方で、「人間の心」にとっては、「全てが空である」と理解すべき状況であり、この時に重要なものは、「神の創った身体を借りて、どのような体験を実際にできるのか?」、あるいは、「この過程で、どれほどの気付きや閃きを得られるのか?」とも思われるのである。

そして、この点が理解できた時には、「恐怖心」が消え去るとともに、「全ての出来事が喜びに変化する状況」が生まれるものと感じているが、現実の世界では、「お金が無ければ生きていけない」というように、「人間が創り出した現代の神様」に捉われている状況とも言えるのである。別の言葉では、「人間の心」が、「究極の物質」である「お金」に対して、過度に執着している状態のことでもあるが、この点に関して注目すべき事実は、やはり、「現代のデジタル通貨が、目に見えない数字に変化した状況」である。

つまり、これから想定される変化は、「目に見える紙幣の急激な増刷」であり、実際には、「大量に創り出されたマネー」が「小さな実体経済」へ、急速に流れ出す展開のことである。別の言葉では、西洋の時代に形成された「大きな矛盾」が、一挙に解消される事態のことでもあるが、この点についても、「空の思想」からは、「人類史上、最も大きな経験の一つ」にすぎない状況のようにも感じている。