本間宗究(本間裕)のコラム

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2021.2.7

グローバル化の正体

カール・ポランニーの「大転換」という著書では、「労働、土地、そして、貨幣の市場経済化、あるいは、商品化」が説明されているが、実際には、「多様な社会の結合や画一化」によって引き起こされる「マネーの大膨張」、すなわち、「悪魔のひき臼」により「西洋の唯物文明が完成とともに崩壊の時期を迎える状況」が述べられているものと感じている。ただし、この書が完成した「1944年」は、ご存じのとおりに、「第二次世界大戦の終焉期」であり、この時に彼が感じたことは、「第二次世界大戦により、市場経済化の大転換が発生する」ということだったものと想定されるのである。

つまり、「労働や土地、そして、貨幣の商品化が終了し、今後は、たいへん素晴らしい時代が訪れるのではないか?」と理解した可能性のことだが、実際には、「1945年から現在までが、彼の理論が具現化した状況」だったものと考えられるのである。別の言葉では、「グローバル化の進展」という「実体経済のみならず、マネー経済のグローバル化」までもが具現化した状況のことであり、実際には、「貨幣の商品化」のことである。

より詳しく申し上げると、「1971年のニクソンショック」以降、私が提唱する「信用本位制」の時代が始まり、「金融商品の大膨張」という「貨幣の商品化」が実現し始めた状況のことである。そして、「2008年前後に、デリバティブの残高が約8京円にまで大膨張した」という展開となり、このことは、「世界全体が、商品化された貨幣であるデジタル通貨を求めて、金融戦争を繰り広げた事態」とも考えられるのである。

別の言葉では、「金融商品を奪い合う第三次世界大戦」だった可能性のことだが、現在では、本当の意味での「大転換」である「東西の文明交代」が、はっきりと姿を現し始めた状況とも想定されるのである。つまり、「実体経済」の「約10倍」にまで膨れ上がった「マネー経済」を維持するために、今まで、世界的な超低金利政策が実施されてきたわけだが、現在では、徐々に、さまざまな「綻び」が見え始めているのである。

そして、今後は、「わずかな金利上昇で、世界全体の金融システムが崩壊し、デリバティブの時限爆弾が破裂する可能性」が高まっている状況となっているが、このことは、「労働や土地、そして、貨幣の商品化の終焉」を意味しているのである。つまり、今後は、「東洋の唯心論」の時代、すなわち、「大自然と共生できる社会」が到来するものと考えているが、この時に必要なことは、やはり、「心のルネッサンス」であり、実際には、「心の謎」が解明される事態だと考えている。