本間宗究(本間裕)のコラム

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2021.3.27

権力の魔力と罠

人類の歴史を振り返ると、「権力を握った人々は、多くの場合において、同じような罠に陥りやすいのではないか?」と言えるようである。具体的には、「中国の共産党」であり、また、「日本の自民党」のことだが、どちらも、「苦節の時代」を経て、現在の「絶頂期」が存在しながらも、「権力の魔力」に魅せられて、いつの間にか、「排除の論理」が導く「先細りの袋小路」に入りつつある状況のようにも感じられるのである。

つまり、「権力の源は、武力や資金力であり、また、自分に逆らう人々を排除する人事権」だと考えているが、現在の「中国共産党」と「日本の自民党」を見ていると、「独裁者に逆らうものは排除され、イエスマンだけが出世する組織」となっているようにも思われるのである。そして、結果としては、「排除された人々」が増えたために「独裁者とイエスマンが少数派になりつつある状況」とも思われるが、今回、特に気になった点は、「人権問題を指摘された中国共産党が、海外の商品をボイコットしている事実」である。

別の言葉では、「権力を構成する要素の一つ」である「資金力」を頼りにして、「中国共産党を非難した国は、自国の商品がボイコットされることにより、経済的な苦境に陥る」というような「脅し」をかけられた状況のことである。そして、今までは、このような外交政策が、ある程度、功を奏していたものと思われるが、現在、注目すべき点は、「お金と実物商品との関係性が逆転し始めている状況」とも言えるのである。

より具体的に申し上げると、40年ほど前、それほど裕福な国ではなかった「中華人民共和国」が、現在では、「武力と資金力を背景にして、世界の覇権国にのし上がろうとしている状況」となっているのである。そして、「台湾への侵攻」までもが危惧されている状況でもあるが、現在、私自身が危惧している点は、やはり、「金利の上昇とともに、デジタル通貨が役に立たなくなる可能性」であり、このことは、「米中が保有している資金が、ほとんど頼りにならなくなる展開」とも考えられるのである。

つまり、「権力の暴走」は、最後の段階で、「天地自然の理」によって阻止される場合が多いわけだが、今回は、最初に「人類が保有する資金」、そして、最後に「核戦争が引き起こす自然破壊により人類が淘汰される可能性」も想定されるのである。別の言葉では、「権力争いなどをしている余裕は既に存在せず、全人類が力を合わせて、環境問題などの難問に取り組むべきである」ということが、現時点における「天からのメッセージ」のようにも感じられるのである。