本間宗究(本間裕)のコラム
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2021.12.2
仏教の三界
仏教には「三つの世界」が存在すると言われている。具体的には、「欲界」と「色界」、そして、「無色界」のことだが、この点については、「欲界」が「人間社会」、そして、「色界」が「大自然の世界」、また、「無色界」が「法界(ほっかい)」に相当するものと考えている。しかも、これらの世界には、それぞれの「支配力」が存在するものと思われるが、実際のところ、「無色界」では「仏法や天地自然の理」と呼ばれるものであり、また、「色界」では「大自然の摂理」、そして、「欲界」では「倫理や国法」などである。
そして、「四苦八苦」と呼ばれる「人間の苦悩」については、弘法大師が指摘する「仏法と国法との違い」などが理由として挙げられるようだが、実際には、「弘法大師が、国法を無視してまでも仏法に従った状況」のことである。つまり、「法界」と「人間社会」との間には、大きな「次元の格差」が存在するために、数多くの「悩み」や「苦しみ」を経なければ、「天の智慧」に到達することが不可能な状況とも想定されるのである。
しかも、「大自然界の摂理」を表す「自然科学」においては、「400年ほど前から、急速な発展を遂げている状況」となっており、現在では、「マクロ物理学からミクロ物理学へ」という言葉のとおりに、「11次元の世界にまで、レベルが向上している状況」となっているのである。しかし、一方で、「人間社会の仕組みなどを解明する社会科学」においては、依然として、「三次元の段階」に留まっており、その結果として、「地球環境の悪化」が進展し、また、「人間同士の戦争や紛争」などが絶えない状況となっているのである。
別の言葉では、「唯物論を主体とした西洋文明」においては、「究極の物質」とも言える「お金(マネー)」が「神様のような状態」となり、その結果として、「人々の目的や行動は、すべて、お金儲けに向かった状況」のことである。つまり、「お金儲けのためなら、どんなことでも行う」という状況が生まれたわけだが、この結果として発生した現象は、「環境破壊などにより、人類そのものが、地球から淘汰される可能性」だったのである。
そのために、「SDGs(持続可能な経済成長)」や「新たな資本主義」などの言葉を駆使して、「これから、どのような世界が訪れるのか?」を模索し始めたものと思われるが、実際には、「文明法則史学が教える東西文明の大転換」、そして、「東洋の唯心論」や「お金の謎」などに関して、より深い考察が必要だと感じている。つまり、「お金の謎」のみならず、「時間のサイクル」や「心の謎」などのことだが、今後は、この点を理解した人々が、「時代の成功者」になるものと考えている。