本間宗究(本間裕)のコラム
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2022.1.28
金融政策の転換催促相場
「1月26日」に発生した「金利の急騰(国債価格の急落)」については、本来、私が「2021年の11月23日」に想定していたものだったが、実際には、「暦のフラクタル(相似形)」のとおりに、「2021年末」に相当する「2022年の1月末」にまで、時間的な遅れに繋がったものと考えている。そして、今後の注目点は、「いつ、デリバティブの バブル崩壊が発生するのか?」ということであり、この点については、「2月に発生する出来事」を見ることにより、「正確なタイミングが予想可能ではないか?」と感じている。
より詳しく申し上げると、いまだに「約6京円」もの残高が存在する「デリバティブ(金融派生商品)」に関して、今までは、「量的緩和(QE)」の名のもとに、「隠蔽工作」が行われてきたものの、現在では、「紙幣の大増刷しか残されていない段階」とも言えるのである。つまり、「中央銀行のバランスシート」に関して、「紙幣を大増刷して、より一層、大膨張させる政策」のことでもあるが、今回は、このような「金融政策の大転換」に関して、明確に述べることができなかった状況だったようにも感じている。
そのために、表面的には、「金融政策の正常化」、すなわち、「利上げ」と「バランスシート残高の縮小」という発表に繋がったものと思われるが、この結果として発生したのが、「市場の過剰反応」とも言える「株価の急落」だったことも見て取れるのである。つまり、「市場の誤解」というべき反応に見舞われたわけだが、この点については、過去のパターンと同様に、「金融政策の転換を催促する相場」とも言えるようである。
具体的には、「1991年のソ連」や「1945年の日本」、あるいは、「1923年のドイツ」などと同様に、「大インフレを発生させることにより、過剰な規模にまで大膨張したマネー経済を縮小させる方法」のことである。別の言葉では、「実体経済を名目的に大膨張させることにより、マネー経済と釣り合わせる方法」のことでもあるが、今後の注目点は、「世界中の人々が、いつ、この転換に気づくのか?」だと考えている。
つまり、「中央銀行のバランスシート縮小」は、「1929年の大恐慌」のような状態につながるものの、一方で、「中央銀行のバランスシート大膨張」は、古典的な「大インフレ」に繋がる政策だからである。そして、「世界の金融当局者が、どちらの政策を選択するのか?」が、間もなく、判明するものと思われるが、実際には、過去の歴史が教えるとおりに、「大インフレによる国家債務の実質的な消滅」が選ばれるものと考えており、この時に、「デフレからインフレへの大転換」が本格的に発生するものと感じている。