本間宗究(本間裕)のコラム

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2022.3.2

メスとドスの教訓

「ロボコンの父」と呼ばれる「森政弘先生」の言葉に、「メスとドスの違い」があるが、このことは、「同じ刃物でも、医者がメスとして使用すると、人類の役に立つが、一方で、ヤクザがドスとして使用すると、人類に危害を与える」というものである。つまり、「進化した現代の科学技術」についても、現在の「原子力」のように、「役に立つ技術」として使われるか、それとも、「破壊兵器」として使われるかの違いのことである。

そして、この理由としては、やはり、「11次元にまで進化した自然科学」と「3次元のレベルにとどまっている社会科学」の「次元格差」が指摘できるものと思われるが、この点については、現在の「プーチン大統領の暴走」が典型例のようにも感じている。つまり、「地球の温暖化がもたらす異常気象などにより、人類の淘汰が危惧されるような状況下で、人類同士が殺し合いを行っている状況」については、「将来の人類が、理解に苦しむのではないか?」とも思われるのである。

より詳しく申し上げると、現在の世界情勢は、「神様となった現代のマネー(デジタル通貨)を求めて、人類同士が、奪い合いや戦いを実施している状況」であり、このことは、「悪魔のひき臼で、人類の精神が粉々になった状態」とも想定されるのである。そして、結果としては、今回の「ロシアによるウクライナへの軍事進攻」という惨事につながったものと思われるが、これからの注意点は、やはり、「大膨張したマネー経済」や「デリバティブバブル」の行方とも言えるようである。

つまり、今回の大事件は、「値上がりした原油価格」などにより、「ロシア経済の復活」、そして、「西洋諸国の没落」を信じた「プーチン大統領」が、「21世紀のヒットラー」のような状態になったことが、原因の一つだったものと想定されるのである。そして、今後は、「実体経済の混乱」が「マネー経済の混乱」に繋がるものと思われるが、具体的には、「デジタル通貨が紙幣に変化し、流通に混乱が発生する状況」のことである。

しかも、今回は、「時間的な余裕」が無くなっている状況でもあるために、現時点で必要なことは、「できるだけ多くの人々が、貴金属の現物を保有すること」であり、また、「お金の歴史」を研究し、「DX革命の正体」を理解することだと考えている。つまり、現在の「デジタル通貨」は、「メス」なのか、それとも、「ドス」なのかを考えることでもあるが、私自身の希望は、この過程で、「1971年のニクソンショック」以降、「お金の魔力」に狂い始めた人類が、徐々に、「正常な状態」に戻ることである。