本間宗究(本間裕)のコラム
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2022.7.22
金融システムにおけるダムの崩壊現象
現在の「世界的な金融混乱」の理由としては、「大膨張した世界のマネーが、10分の1の規模である実体経済へ流れ込み始めた事実」が、主な原因として指摘できるが、より詳しい状況としては、「蟻の一穴」だった段階から「数多くの穴が開くとともに、ダムそのものが崩壊を始めている段階」への移行が考えられるようである。また、「金融ダムから漏れ出したマネーが引き起こすインフレの大津波」に関しては、現在、「第二波の引き潮状態」から「第三波の大津波発生」への移行状態とも考えている。
そして、これらの動きに関して、大きな役割を果たしている「原動力」としては、やはり、「500兆ドル(約7京円)もの金利デリバティブ」が挙げられるものと思われるが、実際の展開としては、「デリバティブ全体のバランスシート」において、「資産項目の金融商品」が急激な減少を始めながら、一方で、「負債項目のデジタル通貨」においては、いまだに、「先進各国の中央銀行が、金融ダムの崩壊を防ぐために、国債の買い付けや金利の上昇を実施している状況」とも言えるのである。
つまり、現在でも、「時間稼ぎ」や「問題の先送り」が目論まれている状況とも言えるが、すでに始まった「デリバティブのバブル崩壊」については、「時間の経過とともに、より一層、金融大混乱の被害が増す状況」とも考えられるのである。別の言葉では、「金融界の大量破壊兵器」と呼ばれた「デリバティブ」に関しては、「時間が経てば経つほど、バブル破裂の衝撃が大きくなる事態」だけではなく、「人類史上、未曽有の規模となる大混乱の発生」も想定されるのである。
そのために、これから必要なことは、「コロナ発生の期間と波動」を参考にしながら、「今後、どれほどの大インフレが、どれほどの期間、世界を襲うのか?」を考えることであり、実際には、「約3年間に第7波前後にまで及ぶ可能性」だと想定している。つまり、「2021年から世界を襲い始めたインフレの大津波」に関しては、基本的に、「2024年前後に7波で終了する可能性」を考えているが、この時の問題点は、やはり、「先進各国において、第二次世界大戦以降、本当のインフレが発生しなかった事実」だと感じている。
より具体的には、「財政破たんが引き起こす金融システムの崩壊」が、「本当のインフレ(通貨価値の下落)」の原因でもあるが、この点に関して、現在、必要なことは、今回の「世界的な金融大混乱」が、「1971年のニクソンショック」から始まった「信用本位制」という通貨制度の破たんが、根本的な原因である事実を理解することである。