本間宗究(本間裕)のコラム

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2022.8.9

21世紀の独裁者

現在、「ロシアのプーチン」や「中国の習近平」などは、「21世紀の独裁者」とみなされているようだが、この点については、「2月24日」に発生した「ロシアによるウクライナへの軍事進攻」以降、大きな違和感を覚えていた状況でもあった。つまり、「20世紀の独裁者」と呼ばれる「ムッソリーニやヒットラー、そして、スターリンや毛沢東」などと比較すると、「時代的な背景や思想などに関して、大きな違いが存在するのではないか?」という点である。

そのために、過去数か月間、この疑問点を考え続けてきたが、結果としては、「西洋諸国」において、「独裁者の末路」や「戦争被害の悲惨さ」など、当時の記憶が鮮明に残っている状況が、大きな違いとして指摘できるようにも感じられた次第である。つまり、現在の「中国」や「ロシア」においては、「文化大革命」や「ソ連崩壊」などの危機的状況を経たために、「現在の独裁者に対して、一時的な支持が集まっている状況」であり、このことは、かつての独裁者たちも、同様の状態だったものと理解できるのである。

具体的には、当初は、大きな支持を集めたものの、その後は、国民の不満が高まった結果として、独裁者が排除された展開のことだが、現在、「私自身が抱く、より大きな違和感」は、「世界中の人々が取り組む問題が、軍事力の増強ではなく、環境問題への対応ではないか?」という点である。つまり、現在は、「地球環境の悪化により、人類の存在そのものが危うくなっている状態」であり、「決して、人類同士が殺し合っている暇が存在するような段階ではない状態」のことである。

しかも、現在の「ロシア」や「中国」の状況としては、かつての帝国主義とは違い、「同じ民族同士の戦い」を実施するか、あるいは、目論まれている状況であり、そのために、結果としては、「国際競争力の喪失」のみならず、「国家や民族の体力喪失」に遭遇している状況のようにも感じられるのである。つまり、「国際的な地位や名誉」に関しては、「あっという間に地に落ちるとともに、他国との協力が見込めない状態」となっており、その結果として、「今後は、世界全体を敵にして、軍事的な帝国主義的政策を実施せざるを得ない状態」のようにも予想されるのである。

そのために、今後の展開としては、急速な「国内での反発」や、かつての独裁者と同様に「悲惨な末路」が予想されるが、この点に関して、間もなく、大きな役割を果たすのが、「世界的な金融大混乱」ではないかとも感じている。